内容説明
記号学的日本神話論。斬新な記号論的解釈と図像構成で、壮大な日本神話が甦る。
目次
序章 神話的思考とは何か(神話的パフォーマンスへのいざない;神話分析の種あかし;宇宙論的ジェンダー;霊力の象徴「タマ」;神話とは何か)
1 諸天体の交響曲(天地創造の物語;「泣く子」神話;天の安の河のウケヒ;スバルとカラスキ;歪んでしまった日本人の季節感 ほか)
2 天の鹿と地のヲロチ(三輪そうめんの記号学的解読;薬味にも神話の香り;三輪山神話と神話の変換;ヲロチの死と再生;青丹よし奈良の都で ほか)
3 冬至から夏至へ(神話に窺う社会構造;ヤマトタケルとオホクニヌシの差異;名を変える神々;異世界と霊の交換;跳躍するスクナヒコナ ほか)
4 霊神と采女(赤丹と青丹;北西角線上に並ぶ社;アナシとイナサ;常世の形象;男神を誘う采女のユフ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inugamix
1
造本とレイアウトがとにかくすてき。日本神話を生んだ人々が持ち合わせていたかも知れないイメージの世界を俯瞰する入門書。
非日常口
0
パラパラと最初に捲った時点で驚いてしまう挿絵の数々。不思議とノスタルジックなものを感じてしまった。北沢氏が日本神話を始めたばかりの女性に古事記のシンボリズムを丁寧に解説していく本。古事記や風土記を読んだことがない人への配慮で、必要な個所は所々ちゃんと引用もしてあるが、一度マンガでも概要でも良いから古事記に目を通してから読みだすのが良いかもしれない。とにかく面白い。我々現代人が忘れている大事なものを再び思い出すきっかけになるのではないだろうか。2012/09/26