コロナ・ブックス
ヘンリー・ダーガー非現実を生きる

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  • サイズ B5判/ページ数 151p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582634778
  • NDC分類 723.53
  • Cコード C0071

出版社内容情報

天涯孤独の老人ダーガーが遺した絵物語『非現実の王国で』。挿絵53点、物語と自伝の抜粋から、実人生と物語が交錯するさまに迫る。評論=丹生谷貴志、詩=やくしまるえつこ、エッセイ=坂口恭平。

内容説明

子供を奴隷にする悪の大人と戦う、少女戦士ヴィヴィアン・ガールズの絵物語『非現実の王国で』。作者ヘンリー・ダーガーは、家族も友人もなく、60年にわたり誰にも知られず、独りで描き続けた。自伝・物語の抜粋から、驚異の絵物語と、それを生み出した孤独な人生が交錯するさまに迫る。カラー図版53点を収録。

目次

子供時代
ヘンリー・ダーガーの部屋の考古学
『王国』を構成する三つの要素
非現実の王国へようこそ
『王国』は戦争中!
イメージの救出、あるいは拉致?
アーロンバーグ・ミステリー
現実性と非現実性
アルカディア

著者等紹介

小出由紀子[コイデユキコ]
インディペンデント・キュレーター。小出由紀子事務所主宰。早稲田大学卒業。(株)資生堂に勤務後、1990年に独立。展覧会の企画やコーディネートをおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

89
評伝や解説的な文章を挟んで絵を見ていくと、壮大な空想世界を俯瞰できたような気がする。実際にはほんの片鱗に触れただけなのだろうけれども。なんにしても鑑賞して穏やかになるものではなく、禍々しさに圧倒される瞬間が多々有り心揺さぶられる。こうしたエネルギッシュな創作をダーガーが孤独に長年に渡って続けた事実には、憧憬と畏怖が入り混じった不思議な感銘を受けてしまう。2017/04/24

とよぽん

50
ヨシタケシンスケさんが『ものは言いよう』でダーガーの本に影響を受けた、と書いていたので興味を持った。図書館の検索では『非現実の王国で』がなかったので、こちらを借りた。編者の小出由紀子さんは、ダーガーを「前人未到の域、アートの最果てに到達してしまった雑役夫」と評する。60年もの歳月を費やして世界最長のファンタジー小説を記し、描き続けたダーガー。没後40年を経て世に紹介された作品の、果てしない不思議な魅力を知ってしまった。2020/04/16

きいち

34
自分がダーガーだったら。妄想を形にしたものがこうやって表にだされて、評価してくれるにせよ、その妄想の源として過去の言動が論じられるなど絶対に耐えられないぞ。逆に、見出したラーナーの側の興奮もよくわかる。自分だからこそ価値がわかる!そんな体験などなかなかできるものじゃない。二人の温度差。◇その一方で、ダーガーの世界づくりとラーナーの意味づけ・保存の活動はともに無償の作業、実はかなり近いものではないかと思う。意図を読もうとすればするほど袋小路にはまる。作品の過剰な編集ぶりと素敵な着彩を、ただ見ていたいと思う。2015/09/11

ユーカ

28
挿絵を見ていると生きているギリギリのところで生み出された感じが伝わってきて、見てはいけないものを見ているような背徳感がある。色々な意味で生きるために描いた画家や小説家は多いだろうが、存在意義なんて理由が生っちょろく思えるくらいに彼は描かなければ自分を保てなかったのだろう。…あぁそうか、これは逃避の産物だから、正視することが憚られるんだな。2017/02/11

YO)))

24
一点モノの絵として見たらキッチュな良さがあるよね、というところまでは誰しも言っていいのだと思うが、それらの集積=王国の構築に費やされた年月を考えたとき、それを引き受けるのはダーガー本人以外には到底不可能ではないだろうか。アール・ブリュットに無邪気に期待されたようなプリミティブな表現欲求などではなく、エクソダスの術なき現代社会における、脱出不可能性=虚無の確認作業だったのだとすればなおさら。2017/02/03

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