出版社内容情報
ステンドグラスから差し込むやわらかな光。美しいアーチ状の天井。教会は祈るひとびとをやさしく包み込む。長崎市や五島列島、平戸、熊本・天草の教会を紹介。
内容説明
祈るひとびとによって大切に守られてきた長崎の教会。教会堂は祈りをささげるひとびとをやさしく、あたたかく包み込む。長崎市内や海沿いの外海地方、そして五島列島などの、25の教会を掲載。
目次
頭ヶ島教会
江袋教会
旧鯛ノ浦教会
若松大浦教会
青砂ヶ浦教会
旧五輪教会
中ノ浦教会
水ノ浦教会
堂崎教会
江上教会〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
395
2012年の出版なのだが、それにしてはカラーの色調が古ぼけているように見える。あるいは古い写真を再編集したものか。長崎には130以上ものカトリック教会があるらしい。他の地域と比べると突出して多いだろう。とらわけたくさんあるのが五島列島。遠藤周作がかつて『沈黙』の取材に訪れた。いずれも小規模なのだが、それらの教会堂は確かにそこが祈りの場であることを如実に伝えている。内部空間が殊にそうだ。外観の様式は実に様々。しかし、それらの教会堂には隠れキリシタンとして細々と信仰を守り続けてきた歴史を秘めてもいるのだろう。2022/03/02
mura_海竜
79
教会の写真が美しい。まだ行ったことのない県の1つ'長崎'。五島列島と長崎、1つ1つの教会に添えられる写真、そして歴史。私は宗教を信仰しないのだけれど。テレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」で長崎の教会が出てきたことを思い出す。町の中心の教会、人々の日々の生活に根ざしている。森の中の教会、海も良い感じ。自然の美しい場所に建つ。シンメトリーで青い空に伸びる尖塔形のファサード、背の高いアーチの内部空間。質素で美しい。教会建築に多く携わった鉄川与助の経歴や現事務所主宰者の言葉。巻末に教会訪問時のマナーと地図、年表が続く。2018/07/07
紫羊
22
美しい写真集。ほとんどが木造の素朴な教会だけれど、ヨーロッパの重厚な教会よりも、心が落ち着く。宣教師や信者たちによって、大切に守られてきたのだろうなと、磨き上げられた教会内部の写真を見て思う。眺めるだけで魂が清められるような写真集だった。2013/09/08
kanata
17
五島列島に行ってきた。教会を10ほど回る旅。わたし自身はカトリックじゃないのだが、強い信仰心はどこから芽生え、育ち、死ぬよりひどい弾圧から守り抜いていけたのか気になって。教会内部は撮影厳禁だから、この本が、こんな内装だったと思い出すきっかけになった。長崎では知ってて当たり前の歴史かもしれないが、自分の周囲では知らない人のほうが多そうである。遠藤周作もコルベ神父のことを必死に若者へ伝えたいと願っていたが、そのことが切ない。2017/02/19
情報の削除希望
11
優しい曲線を描くリブ・ヴォールト天井に淡い光を捉えた写真が幾枚も収録。写真はホッとする美しい眺め。2018年ユネスコ世界遺産として登録された長崎の教会26箇所写真にその悲劇的歴史解説等が添えられています。キリシタン弾圧は江戸時代だけの話でなかったのですね。明治政府がキリシタン禁制を解いたのは1873年(明治6年)。優しく素朴な教会の写真の隣に驚きの歴史と、現代へ信仰と教会を守ってきた人々の思いを強く感じます。その多くの教会に関わってくる建築家、鉄川与助は何を思い願いながら、このお御堂を造られていたのか。→2022/05/07