内容説明
東日本大震災から10年、あの人に、あの子に会いたい―ぼくは、ひかりのなかでめをつぶった。そして、そーっとめをあけると…
著者等紹介
みやもとただお[ミヤモトタダオ]
宮本忠夫。1947年、東京都に生まれる。『えんとつにのぼったふうちゃん』(ポプラ社)で絵本にっぽん賞、『ゆきがくる?』(銀河社)で産経児童出版文化賞、『ぬくい山のきつね』(新日本出版社)で赤い鳥さし絵賞、『さらば、ゆきひめ』(童心社)で日本絵本賞を受賞。作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みつばちい
30
お父さんが久しぶりに漁に出ることになり「早く帰ってきてね」と叫んだぼく。するとその「かえってきてね」の声で街にあの震災の街並みがひととき戻る。時計と共に時を奪われた時計屋さんや、犬と別れた男の子、優しいおばさん、そして今の僕より少し小さい僕のお兄ちゃん。あの頃の街と今の街は違うけれどずっと繋がってる。忘れない。お母さんは海はまだ怖い。でも僕は海のあるこの街が好き、、 言葉ではいい表せない想いになりました。悲しい、寂しい、切ない、でも温かい絵本。2021/03/08
ヒラP@ehon.gohon
18
東日本大震災の後に生まれた子どもたちが、絵本を読む時代になってきているのだと実感させられました。 つなみで死んでしまった、自分の知らないお兄ちゃんを想像しながら、あの日になくなった人々や町並みを想像しながら、ひろと君が海を見つめます。 複雑な思いですが、今はひろと君の視点も必要だなと思いました。2022/07/03
遠い日
9
3.11は終わらない。あの頃の海、昔の町並み、あの時いた人たち。「はやく かえってこーい!」の呼び声は、そんなあの頃を連れてくる。今の町、今の人、重なって見える今と過去が、ぼくの心を揺らせます。2021/04/30
NOYUKI
1
わたしには、読み聞かせでこの絵本は読めない。無関係なわたしに読むことは許されない気がする。とても苦しくて。忘れてはならないし、忘れないけど。こんなの、なんだか、苦しい。2021/07/02