内容説明
辛くもソヴィエトの大地を踏んだスランスキーとアンナの存在は、すでにKGBに察知されていた。しかも作戦をソヴィエトに知られたことを憂慮する合衆国側が、ついにふたりの抹殺を決定。敵味方双方から狙われるスランスキーたちを待つものは?一方、必死にふたりを追うKGBのルーキン少佐も、思わぬ運命に翻弄されようとしていた…。物語は息つく間もなく感動のクライマックスへ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
44
下巻は「スノウウルフ」作戦決行のため、スランスキーとアンナがソヴィエトに潜入からスタート。しかしこの作戦は既にKGBに知られており、米国側も作戦の中止、隠蔽を図るため二人を抹殺しようとする。双方から追われる展開にもう最後までノンストップでハラハラ、ドキドキの連続。意外な事実も明らかになり、結末はこう来たか!目的を成し遂げようとするそれぞれの立場の不屈の男達に熱くなり、家族に対する愛にはホロリとし、とにかく楽しめた極上のエンターテイメント小説でした。お薦めしてくださった読友さんにあらためて感謝、感謝です。2016/04/21
goro@80.7
40
ようやく潜入出来たものの危機また危機の連続。情報は漏れているし計画を中止しようとCIAも動き出す。KGBルーキン少佐は執拗に〈狼〉を追うがあと一歩届かない。物語を流れる二人の秘密が絡まり合って怒涛の展開。史実と虚実を混ぜ合わせエンターテイメントに仕上がってます。2017/05/07
haruka
16
KGBの絡んだ冷戦時代のスパイ小説。逃避行、拷問、恋愛とめまぐるしい中、冷酷イケメンと訳あり美女と誠実マンが大騒ぎで駆け抜ける。当時のソ連の息の止まりそうな恐ろしい空気感。捕まれば世にも恐ろしい拷問されるから、そのときはこの薬を飲んでねと自殺薬を渡されてたのに、いざ飲んだら吐かされ、娘のため!待て!なんて美人なんだ…死なせて!こういう冒険のヒロイン全員美人。こんな王道なのに、意外なことにさほど売れてない感じ。自分にとっては昔から傑作で、鷲は舞い降りたよりオデッサ・ファイルより面白い。2022/01/31
Yoko
11
スリリングな逃走劇がそれぞれの思惑や事態の展開により加速し振り落とされそうでした。下巻はさらにぐーっと引き込まれますね。歴史的事実に虚構を織り交ぜた物語をベースに過去から現在につながる家族の愛が描かれます。やはりしびれるのはそれぞれの立場でやり遂げようとする男たちの強い思いや苦悩。いやー、ごちそうさまでしたっ。2014/10/14
inarix
10
多くの犠牲のもとに再びソヴィエトの地を踏むスランスキーとアンナ。しかしスターリン暗殺を目論む≪スノウ・ウルフ≫作戦はすでにKGBに察知され、合衆国側は作戦中止・隠蔽のためにふたりを抹殺しようとしていた。敵味方双方から追われながらも、あまたの親子の、兄弟の、そして夫婦の絆を引き裂いた元凶であるスターリンを執拗に狙う≪狼≫スランスキー。実行不可能の暗殺計画に挑んだ暗殺者たちの運命の終局を描き切る秀作。2015/01/06