内容説明
森に聳えるパラボラアンテナ、錆びれたメリーゴーランド、崩れかけたブランコ、草原と化したボーリング場、雪に覆われた映写室、草木に埋もれた路面電車、靄から浮かび上がる観覧車、海を望む砲台跡、蔦の絡まる廃校…。気鋭の女性写真家が映し出す、たまゆらの幻。密やかに朽ちた総天然色廃墟写真集。
目次
米軍パラボラアンテナ「枯れた向日葵」
廃工場「アリアドネの糸」
奥多摩ロープウェイ「無用プラットホーム」
神岡鉱山「清められた水」
軍艦島「生を視ること死の如し」
松尾鉱山「氷結した世界」
トーヨーボール「あかぼし」
麻布ゴーストタウン「東京エアスポット」
甲賀ファミリーランド「ジョバンニとカムパネルラ」
東京湾造船所「イカロス」
毛利商店「流れゆく時への墓標」
小倉沢小中学校「廃校」
摩耶観光ホテル「霧雨の憧憬」
沖縄巨大リゾートホテル「バベル」
旧小松川閘門「水門の境界線」
友が島戦跡「沈黙の抑止力
大塚女子アパート「白い空」
清砂同潤会アパート「Ｔｈｅ Ｅｎｄ ｏｆ Ｅｄｅｎ」
著者等紹介
三五繭夢［サンゴマユム］
１９７９年、東京生まれ。写真家。書籍、雑誌だけでなく、ＣＤジャケットの撮影なども手がける
栗原亨［クリハラトオル］
１９６６年、東京生まれ。廃墟探検家。廃墟系サイト「廃墟Ｅｘｐｌｏｒｅｒ」管理人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイカラ
22
日本の廃墟写真集。全国の廃墟１８箇所が撮影されていて、写真はどれもいい雰囲気。撮影者が書き添えているポエミーな文章もなかなか味を出している。面白い写真集だった。2016/04/07
oz
7
初読。廃墟explorerの管理人で廃墟探訪のパイオニア栗原亨さん監修の写真集。紙質が光沢の無い、文芸誌の表紙のようなものであるのと、小さな写真を多く詰め込んであるのでかっちりした写真集を期待している方は注意。特集されているのは廃墟好きにはもはやスタンダード・ナンバーともいえるラインナップ。軍艦島や黒沢清の映画に使われた所もあります。2009/10/15
Ma☆N
5
廃墟って絶対1人では行きたくないけど、なんだか不思議な神聖さがある気がする。
すず
5
ただただ静謐さに沈みこんでいくような心地。もう無くなってしまった建物もあるようで残念。2011/10/21
玉繭
5
フォントの滲み具合といい、古さを意図した紙といい、レイアウト背景の色のセンスといい、とにかく装幀が凝ってる。色の入ったようなフィルター越しのぼやけた写真も郷愁的。文章は少し中途半端な感もするが、幻想紀行文っぽさは出てる。どうも雨あがりや積雪を狙って撮影したらしい辺りも気にいった。2011/06/20
