ジョルジュ・バタイユ著作集<br> 眼球譚

ジョルジュ・バタイユ著作集
眼球譚

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784576000084
  • NDC分類 953

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

10
卵、牛の睾丸、刳り出された眼球、そして太陽。「眼球譚」において頻出する球体幻想のいわば種明かしが「太陽肛門」で、バタイユ曰く、世界に生起する万物はその他の万物の隠喩であり、その万物を規定するところの根源的な二運動が、回転とピストンということになる。個人的には「眼球譚」よりも「太陽肛門」が好み。イカレた文章に飢えた文学キチ連中に、いまだ鮮烈な陶酔を与えてくれること請け合いの名文章である。結論から言うと、常軌を逸したエロスとスタイリッシュでガイキチな文章を楽しみたいだけの人にも自信を持ってオススメできる一冊。2011/09/15

OKKO (o▽n)v  終活中

8
図書館 ◆まだまだ引きずる多木浩二『眼の隠喩』。あとがきに『レッド・ドラゴン』とともに「コードの空洞そのものを孕んでいる」として『眼球譚』が挙げられており。バタイユってどう考えてもあっしのお好みとは思えず興味もなかったため、11月のゼミ発表で「私のレッドラ分析に続いてどなたかお願い」と呼びかけるも、指導教官「いや、これは……キツいですよ(笑)」。けっきょく「んじゃしょーがねーな」とワタクシが ◆結果。現実世界でこいつらに匹敵するはアルバート・フィッシュぐらいかと。西洋人ってすぐ「冒涜」って言葉使うね(笑)2015/11/25

ヴェネツィア

8
実に久しぶりに再読。『眼球譚』は、バタイユの小説としての第1作。瀆聖と性、生と死、光と闇―そうしたものが、対立するのではなく、いわば止揚するのである。エロティシズムという点では、バタイユの小説中この作品が1番だろうか。2012/02/26

shin1ro

5
乱歩には後ろめたさを感じながらも強く惹かれるのに、バタイユには嫌悪感しか覚えないのは何故でせう⁉︎ 日本的エロ・グロと西洋のそれの差でせうか⁉︎ 乱歩には「歪んだ性欲に対する宿命的な諦観」が感じられますが、バタイユには「異常性欲を肯定・讃美するエリート意識」が嗅ぎ取れるので、品性に対する冒瀆行為に背徳感を覚えるか快楽を感じるか、の差かも知れません(その意味では沼正三の「家畜人ヤプー」の自虐感は微妙⁉︎)。これほど理解も共感もできなかった本はウラジーミル・ソローキン「ロマン」以来・・・w2017/01/07

マッピー

4
なんというか、とにかくエロい、グロい、シュールで、理解不能。 感情の交流ではなく、ただ身体の欲求だけでつながる人間関係。 目玉であり、卵であり、それは太陽でもあり、世界でもある。 垂直に移動〈成長〉する植物と、平行に移動する動物。そして直立歩行することによって動物〈平行〉でありながら植物〈垂直〉をも体内に宿すに至った人間。 松果体―頭頂にある第三の目。 フロイトが読んだらなんというのかはわからないが、肛門の話。 地球の肛門が活火山なのだそうだ。 そして父殺し。 これをどう読み解いたらいいのか。 2014/09/01

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