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出版社内容情報
平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。
1 ~ 5件/全5件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
435
ほのぼのとした雰囲気や絵の淡さには漫画を読む喜びに溢れているが、とても儚く脆いものに見える瞬間がある。戦時中の広島を描いているからこそ悲しい予感を察してしまうが、そういった時代背景抜きにしても優れた内容ではなかろうか。なにか二度と帰ってくることのない、かけがえのない時間を切り取ることにとても長けた手腕を感じた。続けて読んでいく。2016/11/17
bookkeeper
204
★★★★★ ケーブルTVで映画が放送されて、感動したので原作を急遽入手。アニメは原作にかなり忠実なのだが、入れきれなかったエピソードがあり、新たな気づきもあった。 すずさんは人喰い鬼や座敷童、波の兎など現実とイマジネーションの境界をごく自然に往き来する、とても大らかで愛らしいキャラだ。 ほとんど面識の無い人に嫁ぎ、翌朝から家事をフルでこなす。ストレスが多くて大変だろうが、それでもかけがえのない日常なんだね。結末を知っていても応援せずにはいられない。 第1話から最終回まで、約2年なんだね…2018/04/14
またおやぢ
178
世界の耳目を集める事件の起こる前、本当にこの世界の片隅で一生懸命に生きていた人々の生活や想いを丹念に柔らかい線で描ききった一冊。今を懸命に生きることこそが、人間の幸せなのかもしれない...それが悲劇に繋がっているとしても。2016/12/01
えちぜんや よーた
175
小学校や中学校で「戦争」を教わったときは、「悲惨な体験」、「一般国民は踊らされた」、「戦後は違う」というイメージを植え付けられすぎたような気がする。日常生活が淡々と続いていることに今も昔も変わりない。学校で教わった固定観念は「エラいさんの上から目線」にすぎなかった。北條すずさんの口癖は「うちゃー、よーぼーっとしとるけー」(広島弁)だけど、毎日生活していると大なり小なりそんなもんだろう。そんな日常にたまたま「戦争」が乗っかってきただけ。だからこそクラウドファンディングで映画になるほど支持が集められたと思う。2017/01/15
s-kozy
151
本巻は昭和9年1月〜19年7月まで。主人公・北条(旧姓・浦野)すずは絵を描くことができる。広島から軍港呉へ嫁いできた。淡々と積み重ねる日常、嫁としての立場の弱さ、すずは広島の街を描き残す。そして、大きくなる戦争の影。それでも積み重ねる夫婦としての日常。人は生きていく。2017/02/21