感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
12
「実効性を顧慮しない暴論を吐くのは、思想家の特権である。いや、特権であると同時に責務でさえある。実効性にとらわれて暴論の一つも吐けない思想家など、三流の現実主義者の前に膝を屈するがいい」という呉氏。相変わらず面白い。2014/09/28
tunehiro
5
切れ味鋭い「暴論」。正論と捉えるかどうかはご随意に。私は好きです。2011/06/09
む け
3
呉智英の語り口は単純明快で、かつ面白い。民主主義を突き詰めると共産主義になるという主張は、確かにそうだよなぁ、と思わされたし、フラタニティを博愛と訳してきたことによるある種の欺瞞にも初めて気付かされた。とにかく筆者は安易に価値観を相対化し、自由や平等といったレッテルでそれに対するものを封殺していく風潮に嫌気がさしているようだ。漫画の規制、清潔願望など周囲には無条件に善とされるものが溢れている。内容はちょいちょいかぶってるが、訴えたいものがよく伝わる本だった。2012/12/26
す○○
3
共産主義こそ究極の民主主義であり、フランス革命から200年後の1989年から始まる東欧・ソ連の瓦解は民主主義の勝利ではなく敗北であるという作者の炯眼は、20年後の現在の混迷を見事に言い当てている。国立マンガ研究所があってもいいじゃないかとも言っているが、どこかのマンガミュージアムが事業仕分けされ、さぞお怒りであろうと思う。2011/09/28
レコバ
2
共産主義の対義語に民主主義を置けないのは論を俟たない事柄であり、論ずるなら資本主義との対比だと思うが、それだけ当時の言説がとち狂っていたということかな。2015/02/28