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双葉文庫
伝説なき地〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 587p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575658569
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

ベネズエラの名門エリゾンド家が所有する涸れた油田地帯から希土類と呼ばれる超伝導物質が発見された。独占的採掘権を餌に巨億の富を手に入れようと画策する当主ベルトロメオ。欲望に操られて憎しみ合う親兄弟と情婦ベロニカの血で血を洗う闘争が始まる。南米冒険小説巨編。第42回日本推理作家協会賞長篇賞受賞。

著者等紹介

船戸与一[フナドヨイチ]
1944年、山口県下関生まれ。早稲田大学卒。75年、豊浦志朗名義で『硬派と宿命』を刊行。79年の『非合法員』以下『夜のオデッセイア』『血と夢』『神話の果て』『山猫の夏』『猛き箱舟』などの海外を舞台にした冒険小説を手がけ、2000年『虹の谷の五月』で第123回直木賞を受賞。『伝説なき地』で、第42回日本推理作家協会賞長篇賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

53
レアアースが発見され骨肉の争いのもととなった荒れ果てた土地は、信仰宗教の聖地でもあり、大金が隠された場所でもあるという、何というスリリングな設定。そして、そこは、どこに行ってもその土地には何らかの伝説があるというベネズエラにあって「伝説なき地」だというのだから。最初から暴力的、衝撃的なシーンが続くサバイバルゲーム、勝ち残るのはいったい誰だ。2017/04/19

キムチ27

36
今回も闇、中国の存在が大きく絡んでいく・・そして育ての親・張。その名を受けての海津の死闘。これまた、闇がある香港、その駐在権。余りに芒洋としている展開が始まったものの、最初からどす黒そう。

ken_sakura

13
1986年、舞台はベネズエラ。主人公は誰なのか?それが分かった時には死人の数がもう分からないハードボイルド。手際良く人物を立ち上げては殺していく著者の腕前に感心しながら、下巻へ(^-^)/2016/11/05

καйυγα

11
舞台はベネズエラ。読み始めすぐにはのめり込めなかったが、荒々しさと生々しさにガツンとやられた。ページを捲る速度は上がる一方だし、読み進めていくほど話のスケールに驚かされる。エロあり、死人あり、グロあり、とにかく濃密な小説だ。長ったらしいけれど、これがイヤにならない長さ。ベネズエラ、コロンビア、スペイン、そして日本。それぞれの国人のそれぞれの思惑で本書はできあがっている。レアアースが埋もれている涸れた油田地帯に隠された秘密は下巻で解き明かされるのだろうか。さぁみんな、いよいよ祭りのときだ2015/06/27

しょうゆ

3
感情が高まると「殺して!」と連呼するしかできなくなるベロニカ、彼女の中に渦巻くマリアに対する嫉妬は地味に船戸作品には珍しいタイプの心理描写のような気もする。プリモの小悪党っぷりも最高だ。カエルよりも残忍だったっけか。いやあ、この頃の船戸作品は脂がのってるわ、と思いながら読み進める。とても充実している。2018/05/05

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