内容説明
新大阪発ひかり424号の汚物タンクから時限爆弾が発見された。走行中の新幹線を転覆させる―犯人からの恐るべき警告状が、政府と国鉄を震撼させた。要求は新幹線による騒音振動公害の抜本的解決だが、すぐに応えられるものではない。果たして列島の大動脈は守れるのか…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
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再読了。映画「新幹線大爆破」の前年昭和49年に書かれた新幹線転覆を予告した青年医師秋山の孤独な闘いの物語。近隣住民でなければわからない新幹線公害の訴訟も提起された時代背景と合わせて国の姿勢までも問う。一人国鉄総裁宅へ赴き対峙する秋山の想いは通じるのか。リミットの開業10周年記念日までのスリリングな展開でありました。高度成長、列島改善、経済優先で便利さを享受する影に置いてゆかれる犠牲者。2020/06/12
ita
1
日本推理作家協会賞受賞作。舞台は昭和49年の日本。山陽新幹線がまだ岡山までしか開通していない時代です。新幹線公害に憤る犯人と警察の頭脳戦です。それにしても驚いたのは、新幹線転覆に犯人が選んだ場所が、家の近くとは・・・。 星2つ(☆☆ー)2018/09/26