双葉文庫<br> 影の告発

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双葉文庫
影の告発

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  • サイズ 文庫判/ページ数 370p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575658156
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

満員のデパートのエレベーター内で中年男が毒殺された。名刺と古い写真だけを手がかりにすすめられる捜査。アリバイは完璧だが、東京地検の千草検事はひとりの容疑者にこだわりつづけた。あくまでもアリバイは偽り、と考える千草検事。そこに新たな殺人事件の第一報が…。鉄壁のアリバイをもつ容疑者を着実に追いつめていく千草検事。文学精神と謎の面白さの完全な合一を目指した作者が一つの頂点を極めた感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

33
推理と文学性の両立がミステリー小説に求められていた時代の作品という印象。捜査は一歩ずつ進むリアルさで、ストーリー運びの中で起伏を入れ、容疑者のアリバイ成立、被害者の過去の掘り起こし、アリバイ検証、第2の殺人と要所要所で味変を加えて退屈させないように作られている。アリバイトリックはメインにするには安易に思えるし、章頭の少女の場面はそこまで必要性を感じず、ミステリー的にも文学的にもそこそこに収まっちゃったかな。戦争の影については書かなくても充分伝わっているのに言葉にしちゃうのは悪手。2023/01/12

May

4
S37初出の本格派ミステリー、なのかな。主人公の検事と共に犯行の謎を考えていく趣向で、お行儀良く順序良く話は進む。登場人物の造形は読者に感情移入させるような書き方にはなっていないのは、時代なのか、謎解きをメインと考えた作者の意図なのか。他方で、今となってはという前提付きかもしれないが、トリック自体もあっと驚かせるようなものではないし、いろいろと読んできている身とすれば、そんなことは初めに聞く(聞き込みする)だろなどと思っちゃいました。楽しみのためだけなら今読むまではないかと。2023/05/06

OHta

2
押しても駄目、引いても駄目という鉄壁のアリバイ。しかしそこには明らかに作為の匂いが……。藁のように頼りない僅かな証拠を起点に、鉄壁のアリバイを崩そうと試みる捜査関係者の奮闘を描いた重厚な作品。まさに執念の一冊です。硬派な印象の作品でしたが、しかし結末は洒落ていて良い意味で意表を突かれました。千丈の堤も蟻の一穴から。アリバイ崩しの醍醐味は、勝ち目薄な試合をひっくり返す爽快さにこそあるのでしょう。2016/03/15

Kom

1
アリバイにしろ、トリックにしろ、今読むとものすごく時代を感じる。特に2つのトリックはちょっと陳腐すぎる感。ただ、ラストの余韻が良い感じに決まっているので取り返した印象。2016/06/20

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