出版社内容情報
瀬名 秀明[セナ ヒデアキ]
著・文・その他
内容説明
これは、「実在」した紳士盗賊アルセーヌ・ルパンと、彼を巡る様々な謎と冒険を描いた気宇壮大な物語である。―1919年のフランス。空に憧れる少年・ジャンは、飛んでいる飛行機で曲芸をするサーカスの少女・ドロテと出会う。ドロテは、彼女自身が持つ金色のメダルのために“疣鼻の老人”から追われており、ジャンはドロテを助ける。だが、ジャンの祖父は殺され、家も焼かれる。
著者等紹介
瀬名秀明[セナヒデアキ]
1968年静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)修了。薬学博士。東北大学薬学部研究生、宮城大学看護学部講師、東北大学機械系特任教授を歴任。95年『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。98年『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞を受賞。SFやミステリー小説を発表するとともにロボットや生命科学の分野でも活躍し、ノンフィクションもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
9
フランスの快男児、怪盗紳士ルパンが実在する世界での、ルブランの著作「綱渡りのドロテ」の続編となる作品。ちょっとややこしいパスティーシュと思えばいいのかな。第一次世界大戦直後の時代背景、政治情勢を踏まえ、あちこちつじつまの合わないルパン譚をうまくつなぎ合わせてそれを踏まえた、複葉機を使ったサーカスのスターであるドロテを主人公とした冒険物語。アクションシーンでちょっとおかしい描写があるのが残念ですが、なかなか面白い。ルブランのドロテ譚よりも一世代若い少女ドロテの正体は何か。これは、下巻が楽しみ。2018/07/28
だにぃ
6
冒険活劇ってやつですか。読んでて「ふしぎの海のナディア」とか「ラピュタ」とかが浮かびました。こういう外人の名前で登場人物が多いのはちょっと辛い。期間を空けて下巻にトライします。2015/12/10
t_hirosaki(t_hirosaki)
6
パラサイト・イヴでお馴染みのSF作家によるふしぎの海のナディアのノベライズ(大嘘)。まあ概ねそんな感じの血沸き肉躍る冒険活劇です。地に足付いた歴史ファンタジーかと思ってたらどう見ても超能力者な人とか出てくるのでまあそういうアレです。昔の宮崎アニメみたいな、いやそれ絶対死ぬ死ぬいや怖い怖い怖いっていうアレが安定した文章で楽しめますので喜ぶ人はたくさんいそう2015/12/08
NBかえる同盟
6
設定は冒険小説の王道。謎の美少女に出会う少年。ラピュタやらナディアやらアップフェルラントやら…脳内で様々な作品・キャラがイメージを奪い合う。主人公のパートはスイスイ読めたが、描写が濃密すぎて他のパートは読み進めるのに時間がかかった。登場人物もやや混乱。まずは下巻へ。2015/11/22
次へ
4
微に入り細を穿って映像を文字に起こしていくその執拗な執着。作者は小説ではなく映画を撮りたいのではないかと思う。スナップショットを脳内で再生するのに暇を喰ってストーリーがなかなか走り出さない。疣鼻の描写とか、気取った文学的表現かと思っていたらどうやらそのまま異能の存在らしい?よく分からないまま、ドロテとジャンを応援したくて下巻に進む。2016/03/02