内容説明
こんなにしっかりしたアイディアを原稿用紙五枚ぽっちにしちゃうなんてもったいない。と内外から言われ続ける、『小説推理』の名物連載「2000字ミステリー」。でも、短いからこその、この面白さ!?5年も続く当連載をギュッとまとめたこの1冊で、ぜひともお確かめを。オール4ページ、全部で60本。冒頭の「最後のメッセージ」は本格ミステリ作家クラブ編のアンソロジーにも収録された上作。
目次
最後のメッセージ
ロック・オン
唯一の目撃者
まちぶせ
あなたの笑顔が好き
2009年6月のある日
PK戦
疫病神の帰宅
深夜の客
被害者は意識不明〔ほか〕
著者等紹介
蒼井上鷹[アオイウエタカ]
1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動に入る。「キリング・タイム」で第26回(2004年)『小説推理新人賞』を受賞。翌年、「大松鮨の奇妙な客」が第58回『日本推理作家協会賞・短編賞』の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
158
4ページ×60編のあの手この手で読者を引っ掛ける或いはけむに巻く(迷宮に誘う)魅惑のショート・ミステリー集。よくぞこんなに沢山の物語を紡げるものだなと私なんかはもうそれだけで感心してしまいますね。反面はっきり言って次から次へと息つく暇もなくサプライズがやって来るので些か食傷気味にもなりますが、でも著者の実力は認めざるを得ずたいしたものだなと脱帽しますね。唯これだけあると1つか2つはオチの意味が理解できないのがあって、どうにも悔しくてモヤモヤしストレスにもなります。やっぱり私は単純で解り易いのが好みですね。2018/12/05
takaC
96
4ページ×60話ならすらすら読めるだろうと考えていたが、ショートストーリーの中に瞬間的には分かりづらい仕掛けが盛りだくさんで意外と読みにくかった。厳選して20ページ×12話くらいの構成の方が良かったな。2012/05/18
相田うえお
90
★☆☆☆☆ 4ページだから読みやすかというと、逆に短編が60本もあるんで途中で飽きて制覇に1年かかりました。まず4ページに起承転結を表現していくにはあまりにも無理があるような。言葉が薄っぺらになりますよ。作品によってはオチが無い?に等しいみたいな。ページ制約で足りなかったんでしょうね。削除削除でもう削るところがなく落ちが一言になっちゃったみたいな。あと、人間工学的に次々4ページ物を読んでいっても頭に何も残らないですよ。単なる暇潰し、時間潰しになっちゃいますよ。まあ、こういう趣旨の作品なんでしょうけど。。2016/04/24
chantal(シャンタール)
79
全て4ページで終わるミステリー。4ページで起承転結を作り、最後はどんでん返しをするわけだから、すごいなあ、とは思うのだが、私に読解力がないせいか「これはどう言う意味だったんだろう?どう言うどんでん返しだったのだろう?」と、誰かに解説してもらわないとわからないお話も多々あった。そのせいか、読了するのに随分時間がかかってしまった😓2022/04/05
キングベルⅩ世
76
タイトル通り僅か4ページ×60からなる短編集。よって、もっとしっかりした長い話で読みたいとか、微妙な出来だったりとか、そういうのがあるのは仕方ないことだろう。もちろん4ページでこれはすげぇ!ってなるものもある。中でも「ロック・オン」「キレイじゃなくてもいいから」「オレンジの種二つ」がお気に入り。殺し屋という職業や登場人物、バーの名前など短編同士の繋がりもあるような…。著者のwikiを見ると堂場警部だったり『二枚舌は極楽へ行く』だったりなんか繋がってそうな作品がチラホラあるので、そちらも読んでみたい。2015/03/26