• ポイントキャンペーン

双葉文庫
ひとさらいの夏

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575513721
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

41歳の江美子は不倫相手とのしがらみから、二千万円もの借金を背負った。男の小狡さは見えてくるし、継父からは身の回りの世話を要求される…。ある雨の夜、庭先に少年が逃げ込んで来た。少年は江美子の家に居つく。彼にも抱えるものがあり、江美子はこの15歳の少年と、自分でも意外に思いつつ心を通わせあう。―江美子は拒みきれなかった。もはや世間の非難を浴びようとも。研ぎ澄まされた文章で鮮烈に綴る、珠玉の短編集。

著者等紹介

冨士本由紀[フジモトユキ]
1955年島根県松江市生まれ。広告製作プロダクション、広告代理店勤務を経てフリーのコピーライターとなる。94年「包帯をまいたイブ」で第7回小説すばる新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カブ

37
いわくつきの女が主人公の7篇の短編集。7人それぞれに共感なんかできないけど、ありそうでもあるお話。最後がそれなの?ミステリーじゃないけど後味の悪い結末。2017/04/18

チェアー

17
復刊を呼びかける書店、ファンの声多数ということで読んでみたが、私の読む力ではその評価は理解できなかった。後に残るというふれこみだったが、心情がかなり単純に描かれていて、想像の余地はあまりないという感じ。ストーリーの語りがうまくて読みやすいのはいいのだけど。2017/04/05

金柑

14
どれも後味が良いとは言えない作品ばかり。それでも引き込まれてしまう文体であるように思う。 一番好きなのは、まだ救いがあるように感じた「蜘蛛」。逆にこれはないだろう…と感じてしまう、暗澹とした読後感になったのは「氷砂糖」。とはいえ、この話の主人公へこんなにもイライラさせられるのも、文章がうまいからこそなのだろうと思う。2017/04/20

ヒラソル

14
妙齢の女性が視点であり、微妙な年齢ゆえの葛藤や悩み、絶望がうまく描かれている。心の揺らぎが切なかった。哀しい終わりも多く、読んでいて苦しくもなる。どこかでこんな人が確かにいると思えてしまうし、自分もその一人なのかもしれない。それでも人生は続く。生きていくのは辛い。それでも、いいことがあるさと年々消えていく希望という蜃気楼を探している。 2017/03/12

みるく

11
文庫Xの仕掛人の長江さんのおすすめ短編集。其々の主人公はどれも女性で、何らかの重荷を背負って生きていて、表面では諦めているように見えるけれど、本当は少しだけ手を伸ばして幸せが欲しいと願うのに…女だから感じる苦しみも怒りも嘘偽りなく詰められた作品。読後はどれも重く鈍い感覚を残すが、暫く作品について思い悩む材料を与えられているようでどの作品もたまらなく好き。氷砂糖、ひとさらいの夏はオススメ。蜘蛛、コンドルは私世代の女性の感情があらわで惹き付けられた。この本の仕掛人同様、復刊を熱望する作品です。2017/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/632632
  • ご注意事項