双葉文庫
晩鐘〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 684p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575510096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。一方、加害者の子供たち大輔と絵里は長崎の祖父母のもとに預けられ、父と母を知らずに成長する。運命が変わったあの日から七年、かけがえのない人をもぎ取られた真裕子の心の傷は癒えるのか。殺人犯の父親を持った子供たちは、その運命を受け容れることができるのか。

著者等紹介

乃南アサ[ノナミアサ]
1960年、東京生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務などを経て作家生活に入る。1988年、『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作に選ばれる。1996年、『凍える牙』で第115回直木賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

113
描かれるのは『風紋』から7年後。殺された母を忘れまいとする妹と再婚・出産へと至った父と姉、殺した夫の存在を隠し通そうとする妻とその違和感に気付き始めた息子、それを結び付けたのは当時を知る新聞記者の執念それとも必然か…今回もなかなか身近に起こり得る事柄重なる展開に夢中で、気付けば読み終わっていた684頁。母の死を悔いながら背負い続ける真裕子の想いがどうにも重すぎるのと、今はまだ父の犯罪を知らない大輔の行儀よさに隠された邪悪の目覚めが心配でならない。救われるのは記者 建部の人の良さ。気になるまま下巻へ進もう!2018/07/15

Tsuyoshi

62
七年前に起きた殺人事件。加害者の長男・大輔と被害者の娘・真裕子をメインに事件後の双方の家族のいく末を追っていく展開。事メインである両者においても両親の不在や新しい家族の存在等、周囲に翻弄され続け本音をさらけ出せない環境にあってか、卑屈な印象で地味で暗い展開が続く。新聞記者との接触で全容が明かになりつつ中、心の傷は癒されていくのか?下巻へ続きます。2017/08/29

tengen

59
ひとつの殺人事件が爆風となり、風紋のように周りの人々の人生模様を塗り替えてゆく。 あれから7年。 その爆風は子供達の人生を巻き込みながらまだまだ続く。 新聞記者建部はその不条理の追求に突き進む。 ☆彡登場人物それぞれが本当に痛い。下巻へ。2015/04/19

とも

54
「風紋」から7年後の今を描いた本作「晩鐘」この7年の間に被害者家族の1人である真裕子は何を感じ、何を考え事件をどの様に消化してきたのか。 そこに加害者家族の香織の甥の殺害事件が絡んでくる。複雑に入り組んだ思い、葛藤が渦になって描かれる。確か「風紋」を読んだのも7年前やったなと記憶を辿りながら読み進める内に記憶が呼び戻され、こんだけ記憶が蘇ってくると言う事は「風紋」もインパクトのある一冊やったんやなぁと。加害者、被害者家族の両家族の誰1人とも共感できず、モヤモヤを抱いたまま上巻読了。下巻に明るい未来を期待。2021/02/19

ころりんぱ

51
事件から7年後、時間はみんなに平等に流れてるはずなのに、置き去りにされた人たち。被害者家族も、加害者家族も置かれている環境は変わり、それぞれの時間を過ごし、真裕子も社会人として働いている。なのに…なんてしんどいんだろう。社会は事件のことを忘れても、当事者の中で暗い澱のようなものはふつふつと溜まり、いつ溢れ出してもおかしくないような危うさと精神の歪みは、読んでいて辛い。ことに加害者の息子大輔は、5年生なのにとんでもない成長の仕方をしてしまっている。一般的な5年生男子を知ってるだけに異様過ぎる気も。下巻へ。2015/10/17

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