感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
78
面倒で嫌で煩わしさが疎ましい。捨てたい気持ちばかりなのに付きまとう。生きていく限り。八方美人に言い繕うだけで迷い戸惑ってばかり。これほどまでに周りの人間が死んでいくのは何故なのか。とにかく寂寥感や喪失感とも異なる、ぽっかりと空間の出来た自分と向き合いたい。いいじゃない。これはこれで、おしまい。2018/12/04
かおる
28
「人は自分の人生にいくつかのピリオドを打ちながら進んでいく。進むしかないからこそ、振り返りたくなるのだと思う。」冒頭の死刑囚の話も詳しく読んでみたい。実家を離れて暮らしている人には特に響くものがあるように思う。乃南さんはやっぱり面白い。2020/12/06
巨峰
26
これ、個人的には傑作だった。読んでいる間に涙ぐんでしまった。あまり有名でないのは「双葉文庫」というマイナーなところから出ているからかな。村上春樹の「1973年のピーンボール」ににている。あの失われたピーンボールと話するところね。そして、こちらの方が僕に近い。2011/07/12
坂城 弥生
20
いろんな人の、物の最後を見せられてきて、でも読後感が悪くないのは希望が見えたからかもしれない。2018/04/04
ぶっくlover
12
ミステリーというかホラーというか、その類いの作品しか読んだ事がなかったので、こういう普通の作品も書くのだなぁ、と驚きました。 出だしのハラワタを抉られた様な長屋のシーンと、処分の為に訪れた実家の有り様のシーンが印象的でした。 人生に置いて、こうして否が応もなく物事に決着を着けさせられる時ってあるよなー。2019/03/03