内容説明
朝倉理絵は東京都カルタ会の女王である。事件は、理絵が浅見家恒例のカルタ会に姿を見せ、浅見光彦が、彼女の横顔に、ある種の翳を見出したことで幕があく。理絵の父親が不可解な死を遂げていたのだ。光彦は理絵をともなって、その謎の解明に旅立った。手掛りは父親の遺体が発見された「末の松山」と手帳に記されていた「白浪、松山を越ゆ」―。契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪越さじとは、理絵の得意な札でもある。が、なぜ「越ゆ」なのか?古歌に詠みこまれた諸国の名所を歌枕という。契りは愛の約束、末の松山は一級品の歌枕。この作品は、怖ろしくも哀しい結末を、旅情と短歌の香りたかい文脈に刻みこんだ長編ミステリーである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sweet november
10
内田センセが病のため断筆宣言をされたのを先日知って、久しぶりに浅見光彦シリーズを。ヒロインの名前は、愛読者の少女の名前だったのですね。2017/04/06
かな
9
東野圭吾さんの加賀シリーズとガリレオシリーズが好きで、大体読みつくしたのと、他の作品はたまにダークな物が混じっていて読みづらい物があるので、内田康夫さんの浅見光彦シリーズをたまに読んでいます。旅情ものが多いのと割と安定しているので読みやすいです。ただドラマで見ているようなコミカルなシーンはあまりないのと、犯人が罪を償うためにみずから命をたつというのが多いような気がしてその部分はあまり好きになれません。作品自体はさすがに昭和の匂いが。ほかに何か面白くて読みやすいミステリー作品ないかなぁ。2021/08/13
急いで突厥
4
読了日よりかなり以前に読み終わりました。これも一連の大人買い乱読期に読んだ作品。最近BSで2時間ドラマの再放送をしてて思い出しました。2004/01/01
ゆうき
2
安定の内田ミステリー。 「ご飯、焼き魚、味噌汁」な安定感。 「こういうのでいいんだよ」感。 素晴らしい。 分量、内容ともにちょうど良い。2019/04/07
ruu
1
浅見光彦シリーズ第40弾。舞台は宮城県多賀城市、末の松山。ヒロインは遠い親戚のご友人でカルタの女王 朝倉理絵さん。親戚 奈美の『いいなあ、同情される話の持ち主はモテるから』という耳を疑うセリフに始まり、このパターンね!という過去に読んだ浅見光彦シリーズにあったような結末(まぁ、それが好きなんだが)。ノストラダムスの予言が…とか時の流れを感じる話がチラホラ。宮城の海や福島の浜通りなどが出てくるが、この頃あんな大震災がくるなんて誰が思っただろうか。2019/02/25
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