読めない遺言書

読めない遺言書

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575237726
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

平凡な教師の竹原は、ある日、警察から父の孤独死を知らされる。いつか我が家に帰ってくると思っていた父。だが、見つかった遺言書は“全遺産を小井戸広美に遺贈する”という、見ず知らずの人物に宛てられた信じがたいものだった。家族を捨てた事への憤りとやりきれなさを胸に広美を追い始めた途端、尾行、盗撮、放火と、立て続けに事件に巻き込まれ―。竹原は遺言書を握りしめ、父が残した「謎」を追う。緻密な構成と劇的な展開が導く、驚愕のラスト。珠玉の長編推理小説。

著者等紹介

深山亮[ミヤマリョウ]
1973年群馬県富岡市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2003年に司法書士登録。2010年、「遠田の蛙」で第32回小説推理新人賞を受賞。『読めない遺言書』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shinji

107
深山亮さん初読みです。タイトルからの印象はガッツリのミステリーだったのですが、なかなか柔らかくてユーモアも優しさも散りばめられた内容でした。最初は竹原の父親への扱いに反感も覚えましたが読み進めてのストーリーのほぐされ具合がわかり易く登場人物のキャラクターにもすぐに馴染めました。本当の意味での極悪人は出てこない中、遺言書、孤独死、ホームレス、デート商法等の現代社会的な題材が無理なく理解出来たのが私自身よかったです! 後半の展開の早さ、スリリングさは小気味よかった良作です♪2017/04/26

ゆみねこ

60
深山亮さん、初読み。傷害事件を起こし、刑務所に入ったことで絶縁状態になっていた父親が孤独死をした。中学校教諭の息子が遺品を受け取りに赴くと「遺言公正証書」が遺されていた。父は何故自分の知らない人物に遺産を遺そうとしたのか?主人公が何だか情けない人物で、最初は読みにくかったけれど、無縁社会・ホームレス・デート商法・胡散臭いNPO法人・貧困ビジネスなど社会問題をたっぷり盛り込んで、中々読み応えがありました。2016/04/13

くろにゃんこ

46
初読みの作家さん。罪を犯し絶縁状態の父親が死んだ。残された遺言書に書かれていたことは・・・教師である竹原が真面目なのか用心深いのか・・・いやいや単純?現社会の問題点を絡めながら後半、真相と父親の想いが分かり一皮むけたような爽快さを主人公と共に感じました。2017/06/05

エンリケ

35
父の遺言書に振り回されるある中学校教師のお話。この男、保身意識が強く、小心でそのくせプライドが高い。何とも情けないその俗物ぶりに序盤は苛つくばかり。でもその惚けた言動にやがて呆れ、その後可笑しくなってしまう。それだけ愛敬が有ったということか。物語は現代社会の抱える問題がいくつか扱われる。それは過酷な現実。株価が上がってると言っても浮かれてはいる場合ではない。そんな事象を目の当たりにして成長する主人公。教師として男として、最後はちょっと格好良かった。初読みの作家さん。他の作品にも興味が湧く。2018/01/29

35
図書館本。孤独死した父親の遺言書をきっかけに中学校教師の主人公が様々な出来事に巻き込まれていくというお話。父親は家族に何を伝えたかったのか、何をして欲しかったのかよくわからなかったけど、主人公が出所した後の父親がどんなことを思い何をしていたのかが、遺言書に書かれた他人の名前をたどることで知ることができたのは良かったのではないかと思います。子どものことを思わない親はいないのだと思いました。2015/05/30

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