ぼくたちは大人になる

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  • サイズ A5判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575236545
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

医者をめざし、ひたむきな日々を送る高校生。その前途に、思いもよらぬ試練が立ちはだかった。人はしくじるべきときにしくじれるかどうか。18歳の「過ち」と「新たな出発」を真摯な眼差しで描いた成長小説。

著者等紹介

佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ。北海道大学法学部卒業。出版社、屠畜場の勤務を経て、2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞を受賞しデビューする。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

124
久しぶりに読んだ佐川さん作品。一時期、北海道関連の作品を書いていたコトからハマり結構読んでいました。本作も北海道のコトが少し書かれています。受験を控えた高3の男の子が主人公で、母子家庭という背景と作中で扱われる生活困窮者、生活保護の話はなかなかシリアスです。終盤、とあるコトから主人公がなかなか過酷な状況に追い込まれてしまうのですが、その辺が読んでてなかなかツラかったです。いい話なんですけど、なんかドコかちょっとひねくれてる感が否めず、残念ながら、スッキリ&すんなりと感動できない'淀んだ'自分がいました。2020/02/29

スケキヨ

23
思春期独特の「許せるか許せないか」という自分でも時々操縦不能になる気持ちを持った高校生の主人公の描写がとても胸に来ました。周囲の人間を眩しいと感じたまま持て余した気持ちが攻撃性を帯びる部分とか、でも見事に返り討ちにあって後悔するところとか。重い話になりそうでならないのは、主人公が自分の目標達成に邁進しているからでしょうか。後、彼の周りの人間が「大人」だからでしょうか。躓いてもそれでも時は進むし、季節も変わるし人も変わる、躓いても前を見る事をやめないで生きるという、思った以上に確かな青春物語でした。2012/11/11

あつひめ

15
できる子の悩み・・・と簡単に片付けてはいけないことだと思うけど、家庭の事情や本当に心を開ける人の数の少なさには同情しうる部分が多々あった。ただ、この主人公の偉いところは目標がぶれないところかな?自分でしっかり計画をたてて努力するろころ。ただ間が悪いというか堪え性が足りないというか・・・大事なところで爆発しちゃうところがザンネン。三浦君と徐々に心の交流を図ることで自分に足りないところを見つけていくのだろう。北海道の広い大地でもっともっと足りない部分を埋めていい大人になるだろう。めでたしめでたしで終わる物語も2010/04/13

ゆい

13
大人らしく、の枠に入っていた宮本君が本当の大人になるまでの物語。二十歳の今、読めて良かったです。思春期のトガり方と不思議な自信がリアルに描かれていて、それをささくれさせたり、丸めたりする周りの人(どやちゃん、清水先生、三浦、平田さんなどなど)の存在が後半にかけて愛おしくなってきます。現実では起こらないだろう事件を越えて逞しくなった宮本君が眩しい。私も、大人になるまでの間に何が起こるのかワクワクして生きよう。そして将来の宮本先生みたいな医師になろうと思いました。あ、あと生活保護の事もよく学べて良かった。2014/03/16

星野

13
えっ、このビシバシくる思春期特有の自意識と攻撃性・・・何かちょっと面倒くさい、でも何故か憎めない。そんな男子高校生の成長物語。タバコの件は年をおうごとに感じることも変わりそうだけど、皆そういうシーンのひとつやふたつ抱えて大人になっていくんだと思えた。他人からしてみたらタバコ詰め込んだとこはぶっとび過ぎて逆に天晴れと思ったけど^^(笑)ちょっと主人公の大人になった様子を見てみたい気もした。2010/11/08

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