内容説明
43歳、初秋。職業・芸能マネージャー。人生なんてもうどうでもいい、と思っていた。ある夜、ナイフの眼を持つ男と出逢った―「この男をスターにしてみせる」男たちの最後の夢を賭けたドラマがいま始まる。
著者等紹介
連城三紀彦[レンジョウミキヒコ]
1948年名古屋市生まれ。早稲田大学政経学部卒。77年『変調二人羽織』が第3回幻影城新人賞に入選し、デビュー。81年『戻り川心中』で第34回日本推理作家協会賞(短篇部門)を受賞。84年『宵待草夜情』で第5回吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で第91回直木賞を受賞する
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
7
ミステリーではお馴染みの、文章が決め手の「或るトリック」故だ。 たいていのトリックは犯罪を惑わすために使われるが、ここで惑うのは 愛のかたち。三人で組んで外界に向かう時は、一枚岩に見えるが、 語るたびに、それぞれの新たな思惑が明かされて、まるで恋愛のだまし絵 を見ているよう。 そもそも、恋愛自体が主観と主観のぶつかりあいで、 客観が存在し得ないので、このトリックとの相性が良かったのだろう。 このだまし絵は、白と黒しか使われていないので、虚色に満ちた 芸能界では、一瞬人目を惹く。2005/05/24
ヒヨドリスキ
6
2015年オススメ文庫王国ミステリー部門第1位。これは中々面白かった。40過ぎの男をスターに!って男のロマンが溢れながらも、なんとも言えない緊張感のあるミステリーだったわ。これは書評は見ずに読むべし!2015/01/07
乱読999+α
5
一人称だったり、急に三人称に変わったりと読みずらかったが、これが伏線とは!二転三転する物語に戸惑いながらも、ハードボイルドな男の色気を感じながら読み進めた。濃厚な人間関係の精緻な心理描写は圧巻だ。男二人のヒリヒリする緊張感、そこに絡みつく女の情、ミステリィの色つけをした男同士のラブストーリーとして、面白く完読。連城氏の早すぎる逝去を悼む。2015/01/23
mnagami
4
読後直後の感想としてはこの作品はずらしのデパート。時系列もそうだけどいろんなミスリードでいろいろと修正させられながら読み進めていかざるを得ない。文章の濃密さは連城三紀彦、相変わらずでした。2016/01/24
風祭
4
面白かった!二転三転して最後まで目が離せない。最後は哀愁漂う2015/01/20
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