双葉新書
「本当のこと」を伝えない日本の新聞

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784575153941
  • NDC分類 070.21
  • Cコード C0295

内容説明

3・11という歴史的苦難に際して新聞はなぜ無力だったのか。その裏側には、ジャーナリズムの欠落という、日本の新聞が抱える根源的な問題があった。ニューヨーク・タイムズ東京支局長が明らかにする「新聞不信」の真実。

目次

第1章 青い目の3・11取材記(3・11あの日の私;茨城県大洗町で被災地からの第一報 ほか)
第2章 情報寡占組織・記者クラブ(世界でも稀に見る「記者クラブ」制度;世界中で高まった日本への不信感 ほか)
第3章 かくもおかしい新聞(日本経済新聞は「企業広告掲示板」;大企業の重役とベッタリ付き合う記者 ほか)
第4章 ジャーナリストがいない国(専門職としてのジャーナリスト;日本の記者は有名大卒のエリートばかり ほか)
第5章 日本の新聞生き残りの道(ブログの登場でアメリカの新聞が抱いた危機感;ソーシャル・メディアは敵でも味方でもない ほか)

著者等紹介

ファクラー,マーティン[ファクラー,マーティン][Fackler,Martin]
1966年、アメリカ合衆国アイオワ州出身。ニューヨーク・タイムズ東京支局長。イリノイ大学でジャーナリズムの修士号、カリフォルニア大学バークレー校でも修士号を取得したのち、96年からブルームバーグ東京支局、AP通信社ニューヨーク本社、東京支局、北京支局、上海支局で記者として活躍。05年、ニューヨーク・タイムズ東京支局記者、09年2月より現職。12年、3・11にまつわる一連の報道に関わった自身を含む東京支局スタッフはピュリッツァー賞国際報道部門のファイナリスト(次点)に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パフちゃん@かのん変更

78
なぜ日本の新聞は国民が知りたい事実を伝えず、「権力者の代弁」ばかりをたれ流すような報道に終始するのか。ニューヨークタイムズ東京支局長である著者が3.11の大震災時に自分の足であちこち回ってインタビューした記事が秀逸。日本のメディアがどこも同じような報道内容になるのは記者クラブという方式のせいだ。フクシマの原発のメルトダウンの話も2か月も報道しなかった。2016/07/26

きむこ

60
ニューヨークタイムズの東京支局長がバッサリと日本のジャーナリズムを斬った本。日本の新聞やテレビって政府と一緒に隠し事いっぱいしてるって前からかなり不満でした。その全ての根源としてあげられていたのが『記者クラブ』という日本独特の悪しき馴れ合い。『ジャーナリストとは基本的に権力寄りであってはならない。』『例えば警察と記者クラブは「飼い主と飼い犬」と比喩される関係』。権力者を監視する立場のはずの新聞記者が高学歴・高収入でどちらかというと権力者と同じ目線の人が多いというのもものすごく納得でした。★4.52016/08/11

佐島楓

48
著者はアメリカ人記者。外国の記者から見ると日本のジャーナリズムは奇妙に映る、という。この観点はなかなか日本人にはない(言えない)もので、目を見開かされる思いであった。2015/10/22

Willie the Wildcat

43
ジャーナリズムのあり方を問う。(報道機関全てを十把一絡げに語るつもりはないが)報道機関の”お詫び”を度々耳にする昨今、その信頼性や如何に・・・。本著指摘の「自己調査」が、特に気になる点。記者クラブに象徴される閉鎖性が加わると、報道の質がより不透明となる。突き詰めると、結局信頼性に戻る。Watch Dog!政治献金もいいが、先日の東電汚染水流出問題など、国民生活により密接した案件に『記者魂』を見せ付けて欲しいものだ・・・。2015/03/03

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

38
日本で長く取材をしてきたアメリカ人記者が、日本のメディアの抱える問題点を指摘した一冊。本来、大きな力によって隠されようとするものを掘り起こし、それを世に問うことで社会の発展に寄与すべきジャーナリストであるはずなのに、力あるものに迎合し、いずれは発表される情報を他社よりも早く報道することだけに汲々としていていいのかという根本的な問題を問いかける。著者の指摘はもっともで、多くの人がそうした疑問を持ち始めているとは思うが、一方、メディアの影響力はまだまだ大きい。情報の受け手の在り方も同時に問われていると思う。2012/12/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5187858
  • ご注意事項