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出版社内容情報
生命の歴史を振り返れば、進化を作りだしてきたのは、追いやられ、迫害されたものだった。新しい時代は常に敗者によって作られる―。
内容説明
なぜ、弱くても生き残れたのか?生物に学ぶ画期的な生き残り戦略。
目次
プロローグ 敗者が紡いだ物語―三十八億年前
競争から共生へ―二十二億年前
単細胞のチーム・ビルディング―十億~六億年前
動く必要がなければ動かない―二十二億年前
破壊者か創造者か―二十七億年前
死の発明―十億年前
逆境の後の飛躍―七億年前
捲土重来の大爆発―五億五千年前
敗者たちの楽園―四億年前
フロンティアへの進出―五億年前〔ほか〕
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士、植物学者。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
51
メリハリの利いた進化エッセイ。動物や植物が酸素を使えるのは、その能力を開発した生物を取り込んだから。これがミトコンドリアの起源。イネ科植物は目立ちやすい草原で食害を防ぐため、葉をケイ素で硬くし、栄養分も減らした。多くの草食動物が死滅する中、ウシやウマは強力な消化器官を獲得する。鳥より後発のコウモリが空で生きるには、夜間に飛ぶ能力を持つしかなかった。哺乳類も恐竜時代は夜に活動し、優れた聴覚と臭覚を得ている。敗者は新天地や新方式に挑むしかない。勝者は挑戦せずに老いていく。変革者はいつも辺境から生まれる。2020/09/01
trazom
44
植物学者が「進化」を語るのがユニーク。今まで思いつかなかった疑問が次々と提示され、目から鱗がいっぱい落ちる。なぜ植物は動かないのか。どうして細胞分裂でなく受精で個体を増やすのか。なぜ性はオスとメスの二つなのか。裸子植物が被子植物に進化する必要性は。双子葉植物より単子葉植物の方が進化していると言えるのはなぜか。寒冷化に対する落葉樹と針葉樹の戦略の違い。草食動物に食べられないように植物はどんな工夫をしたのか。それに対して草食動物はどう対抗したか。樹木と草ではどちらが進化しているのか。…正に、知的な楽しさ満載!2019/05/26
たまきら
40
勝ち組は、進化しない。そして敗者は生き延びるために様々な工夫をする…。生き残り、子孫を残す。壮大な生命史をわかりやすく綴った本です。なぜ、死というサイクルを選択したのか。そこも非常に明快な説明がされていて良かった。生き残れば、自分たちはある意味永遠なのかもなあ。2019/11/23
タナカ電子出版
37
この本は地球🌍に生命が生まれてから現在まで続く生命史を滅んでいった仲間たちと今なを生きる仲間と共有する歴史本です✨38億年前から始まり22億年前 10億年前 7億年前…と果てしのない生命史年表が続きます❗私が特に好きな箇所は10億年前 死の発明ですここから男性と女性とが性別として生まれます🎵そして男と女の役割分担ができ、生物の多様性が生まれました、。その結果「死」生まれました。死ぬことができるのは生きているからではなく男性と女性を作ることで「死」を迎えることができたんですね。すごい発明です😢✴️2019/06/23
テツ
24
地球上で延々と繰り返されている生存競争。強い奴ら、勝ち組はそこで歩みを止めてしまうが、負け続け逃げ続けた奴らは逃げ延びた先で生き延びるために進化をする。全ては生きるために。種を繋ぐために。混沌とし変化し続ける環境に少しでも適した存在になろうとしてゆっくりゆっくりと種全体の在り方を変えていく。なんかさ。身体(思考することも含めて)は遺伝子の乗り物っていうことに多少の反感を抱きがちだけどさ。ここまで必死にやってきたのなら仕方ないなあという気分になるな。ただ在り続けたいという清く正しく恐ろしい執念の姿。2020/04/05