天下を計る

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569831077
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

“算用”を武器に戦国を生きる! 秀吉の天下取りを裏から支え、家康の心胆を寒からしめた男・長束正家の生涯を描く著者渾身の長編小説。

岩井三四二[イワイミヨジ]
作家

内容説明

この男なくして秀吉の天下取りはなかった―家康の心胆を寒からしめた太閤の金庫番・長束正家の生涯を描く、著者渾身の長編小説。

著者等紹介

岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年、岐阜県生まれ。一橋大学経済学部卒。メーカーに勤務する傍ら小説を執筆し、96年、『一所懸命』で小説現代新人賞を受賞してデビュー。98年に『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年に『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞を受賞。05年、『十楽の夢』が直木賞候補になる。08年に『清佑、ただいま在庄』で中山義秀文学賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

104
長束正家、名前は知ってはいたがそうか金庫番だったのだな。戦国ものは剛の人知略の人と色々いるが、戦をするにも『元』が肝心よなぁ。よくぞこの地味?なスポットに目をつけて仕上げたものだ。作家って凄いな。思うにこの男がいなくても秀吉は天下を取ったとは思うが、この男もちょっとツキが無い。秀吉にたらしこまれたのだから・・だが家族と共の者には恵まれた生涯だったのだ。今なら分かる。それもまた良しではないだろうかー2017/03/25

みや

39
豊臣秀吉に仕え、算用で戦国を生き抜いた長束正家の生涯を描く歴史小説。大好きな長束正家を堪能できて、とにかく幸せだった。九州征伐、北条攻め、朝鮮出兵など主要な戦い全てで兵糧奉行を担っており、とことんまで算用に尽くした男、算用を突き詰めた小説で、当時の算用の実態や兵糧を工夫する面白さなども存分に描かれている。今までとは全く違う切り口から戦国を楽しめた。検地の意味合いや兵糧に対する考え方を知ると、歴史が更に面白くなる。こつこつと物事を積み上げながら目標を達成していく彼の堅実な生き様は、地味だけれども意味深い。2017/09/09

onasu

34
算術に秀で、豊臣政権五奉行の一人に数えられた長束正家。越前を加増された丹羽長秀の重臣で、財政を担っていたのが三成の目に留まり、固辞するも秀吉の直臣に。そして、九州、小田原、朝鮮、豊臣家の財政と天下で才を発揮していく。  秀吉との初対面の茶室では利休とも邂逅し、行く末を暗示する言葉を掛けられ、これを軸に話しが展開するかと思いきや…。  秀吉に関わったが最後…、さして出世を望まぬ者は…、とかの処世訓もおもしろいし、史上の人の半生を追えたのも幸いだが、戦国のメインストリームとしては、もう一工夫欲しかったかな。2016/11/25

林田力

33
長束正家を主人公とした歴史小説。正家は豊臣政権の五奉行の一人である。算術の才で仕え、秀吉の戦いの兵站を支えた。秀吉は恐怖政治の独裁者になっていた。「みな秀吉の顔色をうかがうばかりだから、こちらの言い分ばかり押しつける結果となり、奥羽大小名の不満は押さえつけられるばかりで、解消されることはない」(187頁)。これは市民に負担を押し付けるだけの現代日本の官僚組織と重なる。 2023/01/05

HERO-TAKA

25
読友さんに薦められて読み始める。5奉行のひとり、算盤が似合う男長塚正家にフォーカスを当てたお話。丹羽家没落後に豊臣家に仕え、その算術を買われた彼が、秀吉後期の主要な戦である島津・北条・そして唐入りの際の裏方として後方支援、そして太閤検地など治世の中でどのように考え活躍していたかを知ることができる。石田三成でもよく言われるが、治世で活きる文治派の才能は、再び乱世に時計の針が戻った際に重要性が薄れてしまう。彼の最期は理不尽の中でも誇り高いが、しかしそれは仕方のない終着点であったのかもしれない。2017/10/22

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