出版社内容情報
1890年の「海の恩」を1985年の在イラン邦人救出で返してくれたトルコ。だが、その後も邦人の危機は続き……。当事者たちが胸迫る真実を語る。
【著者紹介】
ノンフィクション作家
内容説明
イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イエメン内戦、リビア動乱…迷走をつづける邦人救出問題は今、私たちに何を問いかけるのか?国家が「命」を守るとは、いかなることか。そして、「エルトゥールルの奇跡」が教えてくれるものは何か。“恩返しの奇跡”と“緊迫の脱出劇”の真実を描く感動の書。
目次
第1部 海と空の恩義(エルトゥールル号遭難;テヘラン空爆;出張者たちの混乱;緊急事態の大使館;脱出は不可能なのか;フセインの衝撃宣言;首相を動かした男;緊迫のテヘラン空港;四半世紀後の「対面」)
第2部 「命」は守られるのか(人間の盾;長期化する人質生活;平和の祭典;イエメンからの脱出;大使の執念と教訓;リビア動乱の恐怖;決死の脱出行;見殺しにされる「命」と「今後」)
著者等紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、角川文庫)で、第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
63
邦人救出を他国の力にすがる。情けない日本。たまたま見た北村弁護士のYouTubeで紹介されてた本。トルコとの関係は海の翼を読んで知ってはいたけど、イラクでの邦人人質での猪木さんとオザル大統領の働きは驚いた。何よりも、先人達の自制する心と姿勢に感謝しないと。2021/07/02
ころりんぱ
56
エルトゥールル号で引っかかって借りたのだけど、過去に起こった海外での紛争、内戦などで取り残された邦人の救出劇が何件も取材されていた本だった。不意に自分が平和ぼけした日本人だということを思い知らされた形。実際に海外で人質にされたり、帰国の手段を断たれたりした場合、あらゆる手段で救出に乗り出す他の国と違って、日本人は日本からの助けが来ない事を数々の事例をあげつつ問題提起されると、国際社会で生きるための「普通」と日本人の意識の差を感じずにはいられない。そういう事か…と。知らないでいることがたくさんあるなぁ。2016/02/09
それいゆ
34
2015年公開の「海難1890」を改めて観たくなりました。この映画は私の中では、この年のベストワン作品です。救出を待つ人々の生命よりも、自衛隊が軍隊化することを危惧して生命を見殺しにしようとする日本。かろうじて他国の好意で生命を救われている現状。絶対に国は助けに来てくれないとは何とも情けない。真っ先に自衛隊機が乗り付けて、邦人を救出できるよう早急に法改正してほしいです。私が今一番望むのは、自衛隊秘密部隊が北朝鮮に乗り込んで拉致被害者たちを全員奪還することです。2020/11/13
ごへいもち
31
「エルトゥールル」に惹かれて。政変などで脱出しなければならない邦人救出の場面で何ともお粗末な日本の在り方ではあるけれど登場人物の1人が言うように少しずつ良くなっていると信じたい。森永さんや長谷川さんなど駐在員の妻たちの努力もすごい。外務省のレベルが知られる2016/10/23
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
30
『海で受けた恩を空で返すとは、トルコの人達は粋だよな』このフレーズが非常に印象に残りました。2016/01/15