PHP新書<br> チャイコフスキーがなぜか好き―熱狂とノスタルジーのロシア音楽

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チャイコフスキーがなぜか好き―熱狂とノスタルジーのロシア音楽

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  • サイズ 新書判/ページ数 284,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569803333
  • NDC分類 762.38
  • Cコード C0273

出版社内容情報

論理のドイツ音楽に対する感傷のロシア音楽。ドストエフスキー・ブームの仕掛人が、激しくも哀しいアンビバレントな旋律の秘密に迫る。

【著者紹介】
ロシア文学者、東京外国語大学学長

内容説明

チャイコフスキーを筆頭に、ムソルグスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、そしてショスタコーヴィチ―19世紀後半から20世紀にかけて、ロシアの作曲家たちはクラシック音楽の世界で絶対的な地位を占めている。なぜかくも私たちの心を揺さぶるのか?論理を重視したドイツの古典音楽とは対極的に、艱難の歴史と血に染まる現実を前に、ロシア音楽は、幸福を希求する激しくも哀しい感情から生み出されたのである。近年のドストエフスキー・ブームの火つけ役が、死ぬまで聴いていたい“聖なるロシアの旋律”に迫る。

目次

プロローグ レクイエムとしてのロシア音楽
第1章 メロディの謎、またはノスタルジーという経験の全体性について
第2章 ロシア文化の二分法
第3章 熱狂とノスタルジー―十九世紀のロシア音楽
第4章 暴力とノスタルジー―二十世紀のロシア音楽
第5章 知られざる現代ロシア音楽
第6章 偉大な芸術家に会った
エピローグ 音楽による遺書―チャイコフスキーの死と真実

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年栃木県生まれ。ロシア文学者、東京外国語大学長。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、同志社大学助教授などを経て、東京外国語大学教授に就任。2002年に『磔のロシア』(岩波書店)で大佛次郎賞、07年には新訳『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)で毎日出版文化賞特別賞、プーシキン賞を受賞し、ドストエフスキー・ブームの火つけ役となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Book & Travel

41
ロシア文化研究の第一人者である著者が語る近代~現代のロシア音楽。文化史や精神史を絡めながら、かなり前のめりにロシア音楽への熱い思いを語る書きぶりは、メジャーな作曲家を聞く程度の自分にとってはハードルが高かったが、一方でかなり興味をそそられる所もあった。ロシア音楽はショスタコーヴィチはもちろんチャイコフスキーにしても、西欧に比べどこか重い物を背負っている印象を受けるが、それは常に国家が強く個人が小さかったロシアの歴史所以。しかしその激しさと重厚さが多くの人を惹きつけ、また自分もどこか惹かれる理由なのだろう。2020/03/22

さきん

28
ロシア近代音楽の歴史と思想を著者の考えを織りまぜながら語っていく。貴族趣味な西欧音楽、アジア的で広大な大地の響きを感じるロシア土着の音楽、夢想的なロマン音楽、政治に巻き込まれて厳しい現状を潜ませた音楽。知らない作曲家が多い。これからロシア音楽がどう変わっていくかも興味がある。ロシア音楽を知るために置いときたい一冊2018/02/18

巨峰

25
翻訳者でロシア文学者の亀山郁夫によるチャイコフスキーをはじめとするロシア・ソ連音楽の案内。こういう本は、読後に、そこに書かれた音楽を聴いてみたいと思ったらいい本だと思います。この本はかなりのいい本です。2012/04/08

赤とんぼ

20
作者のロシア音楽への愛にあふれた一冊。ロシア音楽を「熱狂とノスタルジー」と読み解くことにまず面白みを感じました。納得できる=^_^=ロシア音楽解説書としても、亀山氏のロシア音楽愛を読み解く本としても、たいへん楽しかったです。聴いてみたい音楽が山のようにできました(笑)さっそく、ワレリー・ゲルギエフ氏の音楽を捜しちゃいました。2015/07/25

ソバージュ

11
チャイコフスキーに限らず、こよなく愛するロシアクラシック音楽全般について、歴史的見地と各作曲家へのほとばしる想いが述べられている。現代音楽においてはタイポロジー化されており面白く分かりやすい。シルヴェストロフ・・また新しい作曲家に出会えた。2019/08/12

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