内容説明
生まれたばかりの妹ルチアのために、みんながお祝いを持ってやってきました。マンゴーの木の上からそれを見ていたファシールは、自分も妹に何かあげたいなぁと考えました。何がいいかな？ファシールはよいことを思いつきました。
著者等紹介
ウィリアムズ，カレン・リン［ウィリアムズ，カレンリン］［Ｗｉｌｌｉａｍｓ，Ｋａｒｅｎ Ｌｙｎｎ］
１２歳のとき、作家クラブを近所で組織し、それ以来、子どものためにたくさんの本を書いている。とくに、世界中の子どもたちが直面している問題をテーマにしている。現在、家族とともにペンシルバニア州ピッツバーグ在住
サポート，リンダ［サポート，リンダ］［Ｓａｐｏｒｔ，Ｌｉｎｄａ］
たくさんのすぐれた絵本の絵を描いている。“Ｔｈｅ Ｆａｃｅ ａｔ ｔｈｅ Ｗｉｎｄｏｗ”（クラリオン社）はアメリカ賞を受賞。作品は、毎年イラストレーター協会展に出品されている。コロラド州ボルダー在住
高岡美智子［タカオカミチコ］
札幌市生まれ。北海道大学大学院文学部修士課程修了。エスペランティスト。２００３年にハイチを訪れ、子どもたちと出会ったことがきっかけで、ハイチの会・セスラを設立し、ハイチの教育支援を続けている。現在、同会代表（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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モリー
66
貧しさ故に木を切る。木を切るから表土が流される。表土が流されるから土地が痩せる。土地が痩せるから人々の暮らしも貧しくなる。負のスパイラルだ。それを断ち切るきっかけになった少年のお話は、私の心に希望の種を撒いてくれた。少年が木の芽を守るために作った石垣の輪は小さい。しかし、小さな輪の隣に小さな輪が生まれ、そのまた隣に輪が生まれた。実話に基づくお話のようだ。心に希望の種を蒔かれた読者の一人として、私も現実の世界に小さな希望の輪を作る人になりたい。2021/06/13
ヒラP＠ehon.gohon
24
原題は「希望の環」。荒れた土地の中で木を育てる工夫と努力の話です。ファシールという少年の物語として描かれていますが、あとがきと「ハイチによせる祈り」を読んで、心に突き刺さってきました。ハイチの歴史、ハイチを襲った災害を乗り越えるための活動実話だったのです。 貧困と被災を乗り越えるための「希望の木」。 復興を祈ります。2020/12/07
おはなし会 芽ぶっく
9
カリブ海に浮かぶ小さな国ハイチの実話をもとにしたおはなし。ハイチでは多くの樹木が伐採され、雨と共に土が流され、なかなか木が育ちません。そんな環境の中、お兄ちゃんになったファシールは、小さな妹ルチアのためにマンゴーの木を育てようとします。希望をもって！2020/06/01
けいねこ
6
妹が元気に育つように、木を育てよう。その愛情と、相次ぐトラブルにも希望を失わないこと。それは、彼自身が愛情を持って育てられていることで育まれた力なのだと思う。人のアドバイスで少しずつ前進し、最後には自分のアイディアで乗り越えたところが、さらにすばらしい。2016/03/29
Ｍａｉラピ
6
『「強い木は子どもを守ってくれる」という古くからの教えがあるカリブ海にうかぶ小さな国ハイチ。しかし、ハイチでは生活のためにほとんどの樹木が伐採され、土壌浸食が深刻。そのうえ、せっかく植林活動を行なっても、材木や炭にするために木を切る人があとをたちません。』ハイチに暮らす少年ファシールが、生まれたばかりの妹ルチアのために、苦労して木を育てる物語。初めてハイチの現状を知る。大胆な色彩と簡略化された絵はそこに込められた思いが強調され伝わってくる。2010/11/09
