出版社内容情報
東日本エリア長となった理子が東北の書店で見たものとは。一方亜紀は出産後、慣れない経済書の担当となり……。大ヒットシリーズ第3弾。
【著者紹介】
作家
内容説明
「私、亜紀さんみたいになりたい!」きらきらした目で新人バイトの愛奈に告げられ、困惑する亜紀。子育てに疲れ、不慣れな経済書担当として失敗を重ね、自信を失いかけていたからだ。一方、仙台の老舗書店のリニューアルを任された理子は、沢村店長との出会いを通し、被災地の現状を知る。そんな亜紀と理子が、気持ちを一つにした目標とは!?書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第三弾。
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年、『辞めない理由』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
511
3.11に絡む作品多いですが、本作品もその一種として捉えて読了。どんな職業であれ、どんな職業に就く人であれ、どこか心を傷つけられた。それを引き摺ることなく前向きに生きられるかどうかが、それぞれの人々の価値観に繋がっているのでは。上司であろうが部下であろうが、人を信頼して仕事を託す、これがなかなか難しい。もう一点、子を持つワーキングマザーの就労実態を変えていかないと、我が国の将来はますます暗くなってしまう。これを教えてくれる本作品、何となく実感として。2014/05/23
れみ
510
書店で働く女性が主人公のシリーズ3作目。仙台で老舗書店のリニューアルを手掛け、店長の沢村を通して被災地に触れた理子と、子育てと仕事の両立に悩む亜紀。今回ふたりが一緒に仕事をする場面は少ないもののそれでもそこには特別な信頼関係が感じられた。そして、ここ1年くらいで創作物のなかで語られる震災を目にする機会が増えてきた気がするけど、今回は、縁あって知り合った目の前の人を救うために動く、それがひとつひとつ小さな力でも、何もしないよりはずっと良いということをあらためて考えさせられた。2014/06/29
kishikan
433
本屋さんを舞台にしたお仕事小説「書店ガール」もシリーズ3作目。始めの頃は、本屋さんの舞台裏や出版社との関係、流通の話など、知らないことだらけで興味津々で読んでいたのだけれど、シリーズも3作目となるとそろそろそうしたお家事情のネタも少なくなってきたのか、女性の働き方とか、非正規労働の問題とか、そうした話になってくるのね。とはいっても、仕事に対するモチベーション、特に本に対する愛情がよく書き込まれ、相変わらずの感動物語。今回は震災が一つのテーマにもなっており、やはり町の本屋さんっていうのは良いなぁ、って思う。2015/07/07
W-G
378
理子と亜紀のそれぞれの事情が描かれて、たまに二人に接点があって、またそれぞれ別に動いて、最後にフェスやってなんか上手くいった感出して、というテンプレ展開。後は新規投入されるキャラ次第となるが、今回の沢村店長は面白い。おもてなしの粋を結集させたようなスーパー書店員っぷりに重たい過去をトッピング。こんな一流ホテルのコンシェルジュみたいな店員さんに巡りあってみたいものだ。広瀬さんも良キャラ。亜紀のパートが特に平坦に感じた今作の中で、唯一のアクセントになっており、ラストの出方も印象的だった。2020/03/03
再び読書
378
もう安定の面白さです。時々伸光には相変わらずイラっとさせられるが、亜紀の前向きな姿勢に救われる。理子の恋愛模様は今回は消化不良だが、そのあたりは次回に持ち越しだろうか?今回は東北大震災もテーマになり、沢村の痛みが心に刺さった。人は記録により、惨事を心にしまい込むことができるのだろうか?亜紀には愛奈という後継者ができ、子育てと仕事を両立する本社勤務を選んだ。今後の展開も楽しみです。2016/02/29