出版社内容情報
★第140回直木賞受賞作。
美に一生をささげた男・千利休の鮮烈なる生涯。
己れの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休。茶聖ではなく、人間利休に心魅かれる著者が、その謎に包まれた生涯を解き明かす。
飛び抜けた美的センスを持ち、刀の抜き身のごとき鋭さを感じさせる若者が恋に落ちた。堺の魚屋の息子・千与四郎――。後に茶の湯を大成した男・千利休である。女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、気に入られ、天下一の茶頭に昇り詰めていく。利休は一茶人にとどまらず、秀吉の参謀としてその力を如何なく発揮。秀吉の天下取りを強力に後押しした。しかし、その鋭さゆえに、やがて対立。秀吉に嫌われ、切腹を命ぜられる。
▼本書は、利休好みの水指を見て、そのふくよかさに驚き、侘び茶人という一般的解釈に疑問を感じた著者が、利休の研ぎ澄まされた感性、色艶のある世界を生み出した背景に何があったのかに迫った長編歴史小説である。
●死を賜る 利休
●おごりをきわめ 秀吉
●知るも知らぬも 細川忠興
●大徳寺破却 古溪宗陳
●ひょうげもの也 古田織部
●木守 徳川家康
●狂言の袴 石田三成
●鳥籠の水入れ ヴァリニャーノ
●うたかた 利休
●ことしかぎりの 宗恩
●こうらいの関白 利休
●野菊 秀吉
●西ヲ東ト 山上宗二
●三毒の焔 古溪宗陳
●北野大茶会 利休
●ふすべ茶の湯 秀吉
●黄金の茶室 利休
●白い手 あめや長次郎
●待つ 千宗易
●名物狩り 織田信長
●もうひとりの女 たえ
●紹?の招き 武野紹?
●恋 千与四郎
●夢のあとさき 宗恩
内容説明
おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休の鮮烈なる恋、そして死。
著者等紹介
山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1956年(昭和31年)、京都市生まれ。同志社大学卒業後、出版社勤務、フリーランスのライターを経て作家になる。1999年、「弾正の鷹」で「小説NON創刊150号記念短編時代小説賞」佳作。2002年、『戦国秘録 白鷹伝』(祥伝社)でデビュー。2004年、『火天の城』(文藝春秋)で第11回松本清張賞を受賞。2005年、同作が第132回直木賞候補に選出される。2008年、『千両花嫁―とびきり屋見立て帖』(文藝春秋)で第139回直木賞候補になるなど、いま最も勢いのある時代小説作家として注目されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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