出版社内容情報
15歳でプロになってから四半世紀、対局の際にどのように考えて勝利し、負けた時は何を学んだのかなど、勝負のための思考法を全て明かす。
内容説明
ひとつの手を選ぶことは、それまで考えた手の大部分を捨てること―史上初の七冠独占を25歳で成し遂げ、その後も記録を塗りかえ続ける天才棋士、羽生善治。彼が進化し続ける秘密は、意識的に過去の経験やアイディアを「捨てる」ことにあった!「忘れることは、次に進むための大事な境地」「創造的な思考をする際に、記憶は足を引っ張る」など、最強頭脳の真髄に迫る。
目次
序章 棋士の日常
第1章 継続するために必要なプロセス
第2章 どんなデータを捨てて何を選択するのか?
第3章 挑戦を恐れない
第4章 勝負の流れに乗る
第5章 好きなことを究める
第6章 棋士の思考法
著者等紹介
羽生善治[ハブヨシハル]
1970年、埼玉県生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生棋士となる。1989年に初タイトル「竜王」を獲得。1996年には「竜王」「名人」「王位」「王座」「棋王」「王将」「棋聖」という7つのタイトルすべてを獲得し、話題を集めた。2007年12月、史上最年少、最速、最高勝率で通算1000勝を達成(史上8人目)。2012年8月には通算1200勝に到達した。永世名人、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世棋聖(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
82
「盤の中に潜っていく」感覚、すごい。 「美しいかどうか」無駄なものを削ぎ落とす。 「継続する力」才能。 勝負の世界で継続していくのはやはりすごい。 私も少し継続していることを続けて行こう。でも決めない事も大切か。2021/07/07
佐島楓
72
人生を闘い続ける上で、長い目で物事を見ることの大切さ、時には思い切って休んでみるなど、すべての読者に適応できる言葉の数々。凄いと思うと同時に深く安心するのはなぜだろう。2017/02/07
ばりぼー
52
人間の記憶には一定のキャパシティがある。覚えている必要がなくなったものはどんどん忘れていかないと新しいものが入らない。新しい戦型は実戦で試して一度負けないとマスターできない。山ほどある情報のなかから、自分に必要な情報を得るためには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」のほうが重要。手は浮かぶものではなくて、消去して残ったもの。経験を積むことのマイナス面は、判断の材料が増えることで選択肢が多くなり、判断に迷う材料も増えること。想定外のことが起こって、意外性があって予測不可能な事態にこそ、本当のおもしろさがある。2016/05/20
カザリ
44
羽生さんのことは、将棋がわからない以上わからないんだけれど、母の蔵書として家にあり、読んでみたら本当に勇気がわくというか、この人好きーwとなってしまいましたよ。好きということ、続けていくこと、美しさが正しさと一致するということ、すべて私がなんとなく思っていたことで、それを明言してくれている本で、また考えさせられます。羽生さん、好きーwやってることは知らないけれど、言ってることは好き!!2017/10/29
とびほびこび
44
40を過ぎて惑いまくりの日々を送る自分。一方、若くして神童ともてはやされ、数々の栄冠と名誉を手に入れた彼ではあるが、年齢を重ねる度に先入観や経験が思考の足枷となる事は共通した悩みなのか。経験という選択肢が増える中で、いかに勝ちの結果を残し、負けのダメージを残さないように将棋を指すのか。次のステップへ進む為に固執した考えをそぎ落とし、ここぞという所に力を注ぐ為には思考の取捨選択が重要な要素である事を実感。本に書かれた名言の数々は迷いの霧を振り払う風のように感じられました。2014/12/23