出版社内容情報
カープ探偵事務所で働く堀アンナは、不幸にも聴力を失う一方、ある特別な能力に開眼する。あっと驚く遊び心あふれる連作ミステリー集。
【著者紹介】
作家
内容説明
カープ探偵事務所で働く堀アンナは、やる気あふれる探偵の卵。怖い所長に怒られてばかりの毎日だが、夢はこの小さな事務所をピンカートン探偵事務所のように有名にすること。だが、ある日を境に聴力を失ってしまう。途方に暮れたのも束の間、代わりに特別な能力を手に入れたことに気づくのだった。あっと驚く遊び心と細やかなこだわりに満ちた連作ミステリー短編集。
著者等紹介
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
1998年『邪馬台国はどこですか?』(東京創元社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロユキ
42
表紙のコミカルで可愛らしい感じからは予想外なほどの主人公の不幸さ、そして成り上がりっぷり第二話は読みはじめて身近な人が殺されるにしてもあまりのリアリティのない死因に思わず笑ってしまった。軽く読める仕様の短編でよかったです。2013/02/11
nins
38
鯨統一郎らしい連作ユーモアコメディミステリ。主人公の掘アンナ。両親を事故で亡くし、カープ探偵事務所で働きながら生計をたてる18歳。1話ごとにびっくりする内容。えっと驚きながらハマっていく。急に失われた聴力。そして、そのあと開花した無機物の声が聞こえる能力。安楽椅子との出会い。1話ごとに悲劇が続く反面、生命保険、事業保険…と資金がどんどん増えていったりする展開。前向きに進むアンナ。後半にはアンナにも仲間が出来、会話もツッコミもどんどん面白くなっていく。最後までテンポも良いので飽きない。安楽椅子万歳。2012/12/20
のほほん@灯れ松明の火
19
読んでいて気持ちいいくらいの とんとん拍子っぷりでした。どんどん人が亡くなっていくのに、どんどん資金は増えていって、最後には仲間まできっちりと出来ているのですから、みごとなもんでした。 何も考えずに、スラスラっと楽しめました。やっぱりこの作者の本を読むといい感じに力が抜けます。2012/10/24
coco夏ko10角
18
カープ探偵事務所でアルバイトする天涯孤独の身の上の堀アンナ、依頼の調査中ある能力に目覚め…7話収録の短編集。まさかの安楽椅子が本当に…。アンナのメンタルの強さすごいな。ノリや依頼解決の流れが鯨統一郎作品といった感じでよき。続巻も今度。2022/07/27
LUNE MER
15
各話「●●が死んだ」で始まり、主要人物が毎回減っていく(さらにその都度保険金が入って懐は潤っていく主人公)という展開がものすごく鯨統一郎っぽい前半。加えて、耳は聞こえないが現場にある静物(木・石、家具など)と会話出来るという特殊能力に目覚め、そこから証言を得られるという主人公の特性。ついでに探偵役は愛用の安楽椅子(こいつが推理して主人公はその伝言をするだけ)という文字通りの安楽椅子探偵。後半になるとさらに新メンバー加入が始まるという盛り沢山のバカミスなんだけど、面白かった。2022/01/18