内容説明
『日本書紀』を編纂した八世紀の朝廷が、天孫降臨の地を南部九州に求めた理由とは何か?「そうしなければ都合が悪かった」、天皇家は「ほんとうに南部九州からやってきた」から。どれも、作り話にしては出来が悪い。『日本書紀』を荒唐無稽の物語のように見せておきながら、その裏側には様々な真実が散りばめられているのではあるまいか。ならば、天孫降臨に秘められた真実とは何なのか。
目次
第1章 不思議な神話(天皇誕生にまつわる漠然たるイメージ;はたして渡来人は日本を征服したのか? ほか)
第2章 隼人と天孫降臨(天孫降臨神話の最大の問題・隼人;隼人の地に残された不思議な古墳群 ほか)
第3章 奪われたトヨの政権(朝廷が神話を構築した不純な動機;『日本書紀』の第一の目的は蘇我氏を悪役に仕立て上げること ほか)
第4章 神功皇后とトヨの秘密(天皇家のためではなく藤原氏のために書かれた神話;忘れ去られた高良山の重要性 ほか)
第5章 天日槍と天孫降臨の秘密(トヨのその後と天孫降臨の謎;小迫辻原遺跡に残された焼土 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県柏市生まれ。歴史作家。仏教美術に魅せられて足繁く奈良に通い、日本古代史を研究。古代をテーマにした書籍を意欲的に執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mar Har
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なぜ南九州に天孫降臨したのか?まったくもって不可思議極まりない日本の神話をスパっと解決してくれています。ただ、かなりくどいし、無理やりこじつけているようで素人にはわかりずらいです。まだ「壬申の乱の謎」のほうがわかりやすかったかな。2014/03/25
海辻
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日本書紀を使って藤原不比等が隠そうとしたのは大和朝廷創設に大きく係わった蘇我氏の祖だった。という事を最初に提起し神功皇后や武内宿禰にまつわる謎を、邪馬台国・朝鮮半島諸国・出雲・吉備などに残る痕跡から紐解いていく。記紀の神話部分に隠された現実を証明しようと多くの伝承などを提示してますが、武内宿禰に何もかもを繋げすぎの気が(苦笑) でももう1冊読んでみたいと思ってしまうのは関マジック?2010/02/01
magu0217
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天孫降臨をはじめとする神話の世界を読み解く。仮説としてはおもしろい。2022/01/25