出版社内容情報
安岡師が語る陽明学の祖とは。シリーズの掉尾。
東洋思想史に大きな影響を与えた王陽明とその哲学を、わが国における陽明学研究の第一人者であった著者が容易に語ったシリーズ最終巻。
本書は、昨年から刊行し始めた、陽明学の泰斗・安岡正篤の「現代活学講話選集」全七巻を締めくくる一冊である。
▼これまでに、『十八史略(上・下)』『孟子』『人生の五計』『酔古堂剣掃』『先哲が説く指導者の条件』の六冊を刊行してきた。どれもが「名著」の名に恥じぬ内容であるが、「王陽明」という、内容・テーマともに本シリーズの掉尾を飾るに相応しいものとして、本書を最終巻に据えた。
▼実は、これまで安岡正篤には、東京帝国大学の卒業記念として出版した『王陽明研究』と、「王陽明伝―王陽明の生涯と教学」(王陽明生誕五百年記念『陽明学大系 第一巻』所収、昭和四十六年)の二冊の陽明学研究の名著がある。しかし、本書が前掲の二冊と趣を異にするのは、「分りやすく」と「平明に」に重点をおいている点である。その意味において、陽明学研究の「第三の名著」であるとともに、難解と言われる陽明学の入門書としても、右に出るものはあるまい。
●第1章 生誕の秘話と青年時代
●第2章 「五溺」と発病求道
●第3章 「竜場徹悟」と教学の日々
●第4章 最後の軍旅と長逝
内容説明
著者には、東京帝国大学の卒業記念として出版された『王陽明研究』と、「王陽明伝―王陽明の生涯と教学」(王陽明生誕五百年記念『陽明学大系 第一巻』所載、昭和46年)の名著がある。本書は、この名著を下敷きに、「分りやすく」と「平明に」を念頭に、王陽明と陽明学について説いた講話集である。難解と言われる陽明学の入門書にして、本シリーズの掉尾を飾るに相応しい、師の「陽明学第三の名著」である。
目次
第1章 生誕の秘話と青年時代(陽明研究で結ばれた縁尋の機妙;「陽明学」の流行と誤解 ほか)
第2章 「五溺」と発病求道(就官と発病「独の生活」;「従吾の学」への徹悟 ほか)
第3章 「竜場徹悟」と教学の日々(険所・竜場に流されて;竜場流謫の意義 ほか)
第4章 最後の軍旅と長逝(寧王の叛乱と平定;「事上磨錬」と小人の奸計 ほか)
著者等紹介
安岡正篤[ヤスオカマサヒロ]
明治31年、大阪府に生まれる。東京大学法学部卒業。「東洋思想研究所」「国維会」「日本農士学校」「篤農協会」等を設立。また、戦後は「全国師友協会」「新日本協議会」等をつくり、政財界の精神的支柱として多くの敬仰者を持った。全国師友協会会長、松下政経塾相談役を歴任。昭和58年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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