出版社内容情報
人生・信仰・脳と精神まで丁々発止の爆笑対論
二人の気の向くまま、話題はあっちへこっちへ。ユニークな発想ではピカイチの二人による人生・信仰・脳と精神など、丁々発止の対論集。
人に教えたくない店は、表通りより、路地を入ったところにある、などとよく言われる。それは会話についても言えるのではないだろうか。一つのテーマに沿って延々と続く議論を聞き続けるのは苦痛なことだ。路地裏のいい店の喩えではないが、ときに話が本題から反れる。その話のほうが面白いということはよくあることだ。
▼本書で御両人が語り合っているテーマそのものは日本文化論に通じるものあり、精神史に通じるものありで、その意味では正攻法の対論である。しかし、自分の幼児期の体験、青春時代の思い出などを織り交ぜた会話は、知的な漫才のような面白ささえ感じる。まさに、裏路地の会話、である。
▼その会話には、示唆にとんだ一言あり、正鵠をついた社会批判ありで、読む者を飽きさせることがない。こういう会話を知的な会話というのだろう。
▼ご両人と寄り道しながら、日本人とは何か、信仰とは何かなど、重いテーマを軽く楽しんで見てはいかがだろう。
●第1章 「いい加減」でいいじゃないか―軟弱者だからこそできる「柔軟思考」
●第2章 「九割」の大多数より「一割」の少数派たれ―「はみだし者」が新たな時代を築く
●第3章 「一致団結、頑張ろう」の軍隊文化を問う―全共闘からオウムまで
●第4章 おカネとシステム信仰と日本人―価値という尺度の使い方
●第5章 拡大する「脳」―論理的思考の裏側にあるもの
●第6章 神なき国の精神史―日本の思想・文学・言葉談
●第7章 「システム」からの脱出―いじめ、自殺、閉塞感を生み出す社会構造を破るには
内容説明
一人は敗戦時まだ八歳、一人は十七歳の多感な青年。年齢差約十歳の二人がおりなす会話は、お互いの精神形成史の披瀝に始まり、日本人特有のモノの考え方・行動について、エリートとは何かについて、お金と宗教、果てはいじめ問題や自殺まで、まるで目的地を決めずに足のむくまま気の向くままに彷徨う旅のよう。異色の解剖学者と数学者の丁々発止の会話から日本と日本人の今が見えてくる。
目次
第1章 「いい加減」でいいじゃないか―軟弱者だからこそできる「柔軟思考」
第2章 「九割」の大多数より「一割」の少数派たれ―「はみ出し者」が新たな時代を築く
第3章 「一致団結、頑張ろう」の軍隊文化を問う―全共闘からオウムまで
第4章 おカネとシステム信仰と日本人―価値という尺度の使い方
第5章 拡大する「脳」―論理的思考の裏側にあるもの
第6章 神なき国の精神史―日本の思想・文学・言葉談
第7章 「システム」からの脱出―いじめ、自殺、閉塞感を生み出す社会構造を破るには
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年11月11日、鎌倉市に生まれる。1962年東京大学医学部卒業。1971年頃、大学入学以来とだえていた「虫捕り」を再開。1972年東京大学医学部助教授。1981年東京大学医学部教授。1995年春、定年を待たずに東京大学を退官。現在、北里大学教授
森毅[モリツヨシ]
1928年1月10日、東京に生まれる。大阪で小・中時代、京都の三高で青春を過ごすという三都人生を送る。1950年東京大学理学部数学科卒業。1951年北海道大学助手、1957年京都大学助教授、1971年教授。1991年春、退官。現在、京都大学名誉教授
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