内容説明
いい文章に出会うことは人生の大きな喜びである。しかし、書く側に回って共感を得る文章を書こうとすると、案外苦悩するケースが目立つ。なぜか?―本書は、元新聞記者で、作文教室・大学の講師として約千人を指導してきた著者が、文章と苦闘する人たちに共通する“陥りやすい三つの傾向”を軸に、文章力をどうやって向上させるかを解説する。実際の授業のエッセンスを詰め込んだ“文庫版”文章講義。
目次
第1章 初心者はココでつまずく(文章論より、まず書き慣れること;書き始める前に何を書きたいかを正確につかむこと;禁止事項(1)―文章の意図がつかめない“事実や印象の羅列” ほか)
第2章 文章の基本的な面白さは体験の差にある(個人的な体験と日常の鋭い観察が文章を面白くする;「個性」「独創」「新味」で文章に輝きが出る;テーマと素材の取捨選択のコツと実践 ほか)
第3章 基本プラス・アルファ(スキ間風の吹き抜ける文章;主語を明確にすることなど;作文の効用から自分史へ ほか)
著者等紹介
宮部修[ミヤベオサム]
1937年、東京生まれ。青山学院大大学院英米文学研究科修士課程修了。64年、読売新聞社入社。編集局地方部静岡支局、文化部。教育欄、読書欄、文化欄デスクのあと、出版局参与としてベストセラーをプロデュース。現在、桜美林大学短期大学部非常勤講師
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感想・レビュー
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ヨミナガラ
11
“普通の感覚で普通のことを書けば、ほぼ間違いなく一般論に落ち込むだろう。では、無難にこの一般論を避けるにはどうすればよいか。/前節の「理屈攻め」からのがれるためにもいえることだが、まずは、書き手の特異な個人体験の中に逃げ込むことだ。〔…〕あくまでも“私個人しか体験していないこと”に重点を置くことである。親孝行はすべきものというのでは、余りにも当然過ぎて作文としてのインパクトがないのだ。”2014/07/07
うぱこ
1
元新聞記者ならではの、正しく独創的な文章作法。2014/04/27
キリ
1
10年位前の作品なので若干今の風潮とは合っていない部分もあるが全体に渡り特に学生に向けて「どう文章/作文を書けばよいのか?」を指南した本。ブログの全盛期を過ぎ、ある程度の作法が伝わっている20~30代の中には書かれていることを自得した人もいるのではないかと思う。プラスアルファの「いかに文章に“すき間”を作るか」という部分が非常にためになったのでそこだけでも一読の価値あり!2014/02/16
かみうさ
1
どちらかと言うと「作文」(小学校でやったような奴)の入門書かな。文章に不慣れな人向け。2011/02/07
ホセ
1
[図]うーむ、なかなかダメ条件にひっかかるブログを書いている気が2009/04/21