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血涙〈下〉―新楊家将

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569658148
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

敵味方に別れた男たちの哀しみが胸を熱くする。

楊家の長となり、宋の帝に仕える六郎。敵国・遼を率いる強権の女王、そして猛将たち。運命に弄ばれた男たちの哀しみを描く慟哭の終章。

六郎と剣を交えた瞬間、石幻果の記憶が蘇った。石幻果こそ、宋遼戦で落馬し、記憶を失って遼国に連れ去られた北平寨の守将・楊四郎だったのである。過去を取り戻した石幻果は、二つの人生を抱えてしまった運命を呪う。敵国で将軍となり、元部下を斬り、兄弟と闘わざるをえなくなったのだ。想像を絶する苦しみのなかで、これから先どう生きるべきか心を悩ませているとき、手を差し伸べたのは、父とも慕う耶律休哥だった。

▼戦場で石幻果と出会った六郎も、石幻果が兄四郎ではないかとの疑いを濃くする。直接確かめるべく、石幻果に近づく六郎。疑いは事実だった。

▼兄弟が敵味方に別れて闘うという苛酷な運命を受け容れ、心に哀しみを宿して戦場に向かう男たち。闘うことでしか生きられない者たちに、勝敗を決する秋がやって来た。綾なす人々の憎悪と悲しみが交錯する衝撃の結末。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、いま静かに幕を降ろす。北方楊家将、ついに完結。

●第七章 死生ともにありて 
●第八章 黄塵(こうじん) 
●第九章 砂上の幻(まぼろし) 
●第十章 哭(な)く旗 
●第十一章 秋(とき)がいま 
●第十二章 旗なき者たち 
●終章 草原  

内容説明

運命に翻弄される男たちの叫びが戦場に砕け散る!闘うことでしか生きられない者たちに勝敗を決する秋が来た。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、いま静かに幕を降ろす。北方楊家将、ついに完結。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年(昭和22年)、佐賀県唐津市生まれ。作家。ハードボイルド小説を発表しながら、日本及び中国を舞台にした歴史・時代小説に取り組む。おもな現代小説に、『眠りなき夜』(日本冒険小説協会大賞・吉川英治文学新人賞)など。歴史・時代小説に、『破軍の星』(柴田錬三郎賞)、『水滸伝』(全19巻+別冊1巻、司馬遼太郎賞)など。『楊家将』(上・下)で、第38回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

納間田 圭

137
北上する宋vs南下する遼。楊家軍vs耶律休哥軍。楊家軍は楔の隊形組む。対する耶律休哥軍の赤騎兵と宿敵と化した兄石幻果の騎馬隊。記憶が蘇り…その呪われた運命に絶望し究極の選択を強いられた石幻果こと楊四郎。結局、遼の将軍石幻果として生きる事を選択するのだが。「自分の中で楊四郎が死に、石幻果が勝ち残った」と頭の中を整理し軍国遼の将軍として、血を分けた兄弟達 楊家との最終決戦に臨む。何かが心を満たしてくる…闘いを生業とした漢達の叫び。楊家将最終冊。血…それがテーマの哀しい結末。生き残ったのは…吹毛剣を託された六郎2021/08/08

優希

91
戦いが悲しみとして襲いかかります。どうしようもなかったのかと思うと胸が苦しくなりますね。記憶を呼び戻され、優れた指揮官として怖さを抱えながら動く物語は記憶に焼きつけられていきました。兄弟対決が起きなければという願いは脆くも崩れましたが、遼の全てを賭けたからこそ、記憶に焼きつけられた歴史物語としての印象を残します。体が震えました。2017/07/23

榊原 香織

68
上下巻の下 完読。 数奇な運命の主人公。 それなりに幸せだったのでは?添い遂げられないはずの相手とくっつけたし。思い切り戦ったし。 ただ、それが武人の幸せ的北方描写にはいつも馴染めない。 戦うのは自分を守るための手段だと思うのだけど、それ自体が目的となっているのが2022/06/07

藤枝梅安

35
石幻果として新たな人生を歩み始めた四郎。石幻果の成長を見ながら、耶律休哥は老いを自覚し始める。宋軍の遼への侵入を逆手に取り、石幻果は奇策に出る。宋軍の先鋒である楊家軍の頭領・六郎は石幻果実の奇策を感じ取り奏上するが、石幻果は楊四郎だと知った軍上層部は六郎の進言を取り上げようとはしない。楊家軍は石幻果の軍と戦うしかなかった。この戦いで六郎は石幻果を倒す。宋と遼は楊家軍は石幻果の軍の後、講和を結んだ。宋に利用されるばかりの楊家軍は、この戦いの後、軍を解体し、新たな生活を始めるべく新天地に向かうのであった。2011/02/13

nonたん

24
なんなの?楊家…。何で死に兵扱いなの…どんだけ裏切りを受けるの…血涙は楊家そのものが流していたんですね…。楊業が国を見られたら…何を言っても無駄か。漢が散っていった…そんな時代でした。石幻果よ、良い息子で良かった。2012/02/03

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