PHP新書<br> マクロ経営学から見た太平洋戦争

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PHP新書
マクロ経営学から見た太平洋戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 428p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569645308
  • NDC分類 391.2
  • Cコード C0230

出版社内容情報

GNP比16倍の米国に対して戦いを挑んだ日本。国家経営の原則をわきまえず、自暴自棄の戦争を推進した昭和日本の思考様式を徹底究明。

内容説明

GNP比に対して約一三倍、石油生産量は七二一倍の米国に対して、総力戦を挑んだ大日本帝国の指導者たち。彼らはあの戦争にいかなる幻影を見たのか。泥沼化する中国大陸、自壊する陸海軍、「統率の外道」としての特攻。すべては国家経営の原則をわきまえない無謀な賭けだった。当時、海軍の一航空隊員であったエコノミストが、戦時中の日米経済格差を生産力、輸送力、開発力などから徹底的に比較検証。矛盾に満ちた狂気の歴史を再照射する。日本はなぜ敗れたのか。戦後六十年の節目に改めて問い直す渾身の大作。

目次

第1章 刺すべき心臓のない国―泥沼の日中戦争(“聖戦”という無謀な戦い;中国という強烈な磁場)
第2章 資源と輸送と海上護衛と―戦略的条件の欠如(無資源国日本;船舶か艦艇か ほか)
第3章 幻の不沈空母―航空戦略の失敗(不沈空母論は現実的か?;短い勝利の日々 ほか)
第4章 胡蝶の夢―軍拡の破綻(後進帝国主義国の悲願;海軍をめぐる軍縮と軍拡と ほか)
第5章 侏儒とアトラスと―日米戦力の比較検証(暴虎馮河;自壊する陸海軍戦備 ほか)

著者等紹介

森本忠夫[モリモトタダオ]
1926年、京都に生まれる。1952年、京都大学経済学部を卒業と同時に東洋レーヨン(現東レ)に入社。以後、同社貿易部長、総合企画室主幹を歴任。特に社会主義市場開拓のパイオニアとして活躍。東レ取締役、東レ経営研究所社長を経て、熊谷大学経済学部教授(1999年まで)。戦時中は海軍航空隊員として太平洋戦争に従軍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

16
帝国主義的闘争であった先の大戦の、軍備費、動員数、艦艇数、それらの連合国、枢軸国の比較などの数字をひたすら挙げて、日本の戦時経済の面から戦争の実態を描く。ポイントは中国からの撤退、資源の輸送問題、航空戦略、身の丈に合わない軍拡、日米の国力の差。明らかにされるのは日本の戦争指導者の無計画さであり、一旦開戦となると、全体主義の日本より、米国のほうが国内を統一し、武器生産を立ち上げたということ。ドイツも同様で、日本だけの特殊性ではないとは思うが。数字が並ぶので、ついついグラフを描きたくなるf^_^;2016/12/24

珈琲好き

6
逃げるんだぁ...勝てるわけがないよ...2015/05/20

おらひらお

6
2005年初版。徹底して合理的に太平洋戦争期における政治家や軍のあり方や思考法を検証し、批判したものです。ほかの本にあるような情に流されることが一切なく、結論的には弱いものは強いものに戦わずして従うべきという見解です。ただ、敗戦を経ることがなかったら、今の日本はどんな感じになっていたのでしょうか?やはり、いまの借金問題にしてもそうですが、大きな打撃を受けて清算的状況にならないと日本が大きな改革ができないのではと思わせる内容でした。あと、本書では天皇に対する見解がほとんどないです。2013/03/26

さきん

4
太平洋戦争を経営から見た良書。最初に戦力があっても維持できる生産力がないと戦争の優位を維持できない。また、輸送能力も足りず、戦線を拡大しすぎたことがわかる。2015/07/09

まっちゃん2

1
経済経営学の側面から日本の大東亜戦争を斬る。個々の戦史ではなく、軍備の生産、工業力全般、資源の輸送、国民生活の数字を追う。ことにアメリカを主とする諸外国との比較は優れた視点だと思う。難を言えば、数字を表やグラフにしてほしかった。地図も無い。著者は自虐史観に強く染まっていて、「大日本帝国=悪」の観念で凝り固まっているのがいただけないが、数字の分析はみとめざるをえない。2017/02/24

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