出版社内容情報
GNP比16倍の米国に対して戦いを挑んだ日本。国家経営の原則をわきまえず、自暴自棄の戦争を推進した昭和日本の思考様式を徹底究明。
内容説明
GNP比に対して約一三倍、石油生産量は七二一倍の米国に対して、総力戦を挑んだ大日本帝国の指導者たち。彼らはあの戦争にいかなる幻影を見たのか。泥沼化する中国大陸、自壊する陸海軍、「統率の外道」としての特攻。すべては国家経営の原則をわきまえない無謀な賭けだった。当時、海軍の一航空隊員であったエコノミストが、戦時中の日米経済格差を生産力、輸送力、開発力などから徹底的に比較検証。矛盾に満ちた狂気の歴史を再照射する。日本はなぜ敗れたのか。戦後六十年の節目に改めて問い直す渾身の大作。
目次
第1章 刺すべき心臓のない国―泥沼の日中戦争(“聖戦”という無謀な戦い;中国という強烈な磁場)
第2章 資源と輸送と海上護衛と―戦略的条件の欠如(無資源国日本;船舶か艦艇か ほか)
第3章 幻の不沈空母―航空戦略の失敗(不沈空母論は現実的か?;短い勝利の日々 ほか)
第4章 胡蝶の夢―軍拡の破綻(後進帝国主義国の悲願;海軍をめぐる軍縮と軍拡と ほか)
第5章 侏儒とアトラスと―日米戦力の比較検証(暴虎馮河;自壊する陸海軍戦備 ほか)
著者等紹介
森本忠夫[モリモトタダオ]
1926年、京都に生まれる。1952年、京都大学経済学部を卒業と同時に東洋レーヨン(現東レ)に入社。以後、同社貿易部長、総合企画室主幹を歴任。特に社会主義市場開拓のパイオニアとして活躍。東レ取締役、東レ経営研究所社長を経て、熊谷大学経済学部教授(1999年まで)。戦時中は海軍航空隊員として太平洋戦争に従軍
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