出版社内容情報
「万葉集」の色から庶民文化が花開く「江戸」の色まで、日本の伝統色を、「染司よしおか」の五代目が古都の寺社を訪ねつつ、表現・復元する。
日本の四季にふれるにつけ、自然が鮮やかな色にあふれていることに、誰もが気づくであろう。その自然のなかに生まれ育まれてきた色を、布や紙に染め上げる、京都でも数少ない古代染めを生業とする著者が、古都の神社や寺院の祭事との係わりの中から日本の色を再現した『色の歴史手帖――日本の伝統色十二カ月』(PHP研究所刊)を親本とし、コンパクト版として再編集したのが本書である。
▼伝統色百色辞典をはじめ、日本人が好んだ、透き通って色鮮やかな古代色を写真で掲載し、コンパクト版に相応しく、ポケットに入れて旅する人のために古都のガイドも加えている。
▼「染司よしおか」が色を語りつつ、職人としてのその鋭い観察眼を通して、日本人の美意識の歴史を綴る歳時記である。
●1月 新年を迎えて、朱の赤と艶やかな絹を思う
●2月 東大寺のお水取り、聖なる衣は雪のごとく
●3月 四川省の紅花、椿の色になり二月堂に映える
●4月 花に願い、花を衣に映す古都古寺
●5月 古代より尊ばれた高貴な紫
●6月 祗園会の華麗な飾りと友禅染の誕生
●7月 世界の人々に愛された涼やかな藍の色
●8月 七夕に、絹の誕生と綾錦の美しさを思う
●9月 青柿の実るころ、刈安の黄を求めて
●10月 菊、そして天子の色、紅葉の色
●11月 正倉院と法隆寺の染織に魅せられる
●12月 春日大社のおん祭を見て、再び「色」を思う
内容説明
日本人ほど色の名前について豊かな表現のできる民族はいないのではないだろうか。四季折々に移り変わる自然の美しさを目に捉えて、数え切れないほどの色名を造語してきた。そんな日本人が好んだ、透き通って色鮮やかな古代色を「染司よしおか」が再現する。
目次
1月 新年を迎えて、朱の赤と艶やかな絹を思う
2月 東大寺のお水取り、聖なる夜は雪のごとく
3月 四川省の紅花、椿の色になり二月堂に映える
4月 花に願い、花を衣に映す古都古寺
5月 古代より尊ばれた高貴な紫
6月 祇園会の華麗な飾りと友禅染の誕生
7月 世界の人々に愛された涼やかな藍の色
8月 七夕に、絹の誕生と綾錦の美しさを思う
9月 青柿の実るころ、刈安の黄を求めて
10月 菊、そして天子の色、紅葉の色
11月 正倉院と法隆寺の染織に魅せられる
12月 春日大社のおん祭を見て、再び「色」を思う
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
1946年(昭和21年)京都に生まれる。生家は江戸時代から続く染屋。1971年早稲田大学第一文学部卒業。美術工芸品の書籍編集と研究を志し、1973年美術図書出版の紫紅社を設立。1988年生家「染司よしおか」5代目当主を継ぐ。毎年、東大寺お水取りの椿の造り花の紅花染和紙、薬師寺花会式の造り花の紫根染和紙、石清水八幡宮放生会の「花神撰」を、植物染で奉納。ほか春日大社、伊勢神宮など古社寺の伝統的な行事にも多くの仕事をしている。奈良東大寺・法隆寺などに伝わる天平時代の衣装を天然染料で再現・制作
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bittersweet symphony
ybhkr
涼
Ryuki Sena