出版社内容情報
その「癒し」の思想と多彩に生きる知恵を提示。
情報通でマルチな才能。静かな生を肯定する「癒し」の思想――見逃されてきた空海像に光を当て、現代に通じる多彩に生きる知恵を示す。
平安の大思想家であり、今日なお、弘法大師として日本文化に深く溶け込む存在、空海。その生涯とは、密教の奥義をひもとき、聖なるエネルギーを広く行き渡らせるものであった。
▼都を離れての山林修行、命がけの入唐、恵果阿闍梨との師弟関係、ライバル、最澄との接近と離別……。数々の伝記資料を用いながら、聖と俗の両界を自由に往来した空海の実像に迫る。
▼本書では主に、空海の思想と行動の構造の異なる二軸、すなわち「情報」と「癒し」の二つの視点に焦点をあてている。「情報」とは、七世紀から八世紀のアジアは国際化の時代であり、その代表的国際人、文化人が空海であったという意味である。「癒し」とは、とらわれやこだわりをなくす密教の教えを意味している。
▼単なる「知識」ではなく、身体で覚える「智恵」とは何か。空海の思想と行動を通して、現代人に「さとり」の意味を問いかける。千二百年の時空を超えて、人間空海の実像に迫った本格的評伝である。
●序章 情報と癒し――動脈と静脈
●第1章 誕生とその環境――恵まれた風土と家族
●第2章 出家への道のり――情報から癒しへ
●第3章 入唐前夜――基礎要件の確保
●第4章 入唐求法――宗教と文化の二情報
●第5章 密教受法――遍照金剛の誕生
●第6章 虚しく往きて実ちて帰る――新情報とツール
●第7章 雌伏の日々――蓄えられたエネルギー
●第8章 都での期待――最澄・嵯峨天皇との出会い
●第9章 真言密教の確立――若葉萌える季節
●第10章 著作と思想――教理と教判
●終章 入定と大師信仰――空海から弘法大師へ
内容説明
平安の大思想家であり、今日なお、弘法大師として日本文化に深く溶け込む存在、空海。その生涯とは、密教の奥義をひもとき、聖なるエネルギーを広く行き渡らせるものであった。都を離れての山林修行、命がけの入唐、恵果阿闍梨との師弟関係、ライバル・最澄との接近と離別…。数々の伝記資料を用いながら、聖と俗の両界を自由に往来した空海の実像に迫る。単なる「知識」ではなく、身体で覚える「智恵」とは何か。空海の思想と行動を通して、現代人に「さとり」の意味を問いかける。
目次
序章 情報と癒し―動脈と静脈
第1章 誕生とその環境―恵まれた風土と家族
第2章 出家への道のり―情報から癒しへ
第3章 入唐前夜―基礎要件の確保
第4章 入唐求法―宗教と文化の二情報
第5章 密教受法―遍照金剛の誕生
第6章 虚しく往きて実ちて帰る―新情報とツール
第7章 雌伏の日々―蓄えられたエネルギー
第8章 都での期待―最澄・嵯峨天皇との出会い
第9章 真言密教の確立―若葉萌える季節
第10章 著作と思想―教理と教判
終章 入定と大師信仰―空海から弘法大師へ
著者等紹介
頼富本宏[ヨリトミモトヒロ]
1945年香川県生まれ。京都大学大学院文学研究科(仏教学)博士課程修了。文学博士。密教学専攻。種智院大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、種智院大学学長。真言宗実相寺(神戸市)住職。インド、チベットの密教遺跡調査にも従事
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