出版社内容情報
帝国日本の盛衰を円通過圏の興亡史で描く書。
朝鮮銀行は、軍事行動と結びついて東アジアに円の通過圏を形成していった。本書は帝国日本の大陸政策の歴史を通貨金融の面から辿る。
日露戦争によって韓国は日本の保護国となった。朝鮮銀行は、明治四十二年、韓国銀行として設立、翌年の韓国併合で朝鮮銀行と改称され、太平洋戦争終結により閉鎖されるまでの三十六年間、軍事行動と結びついて東アジアに円の通貨圏を形成していった。大陸前進兵站基地――これが朝鮮半島の位置づけであった。そして朝鮮銀行は満州や華北へ積極的に進出し、朝鮮に京城本店以下24店、旧満州に26店、シベリアに8店、中国関内に40店、内地に9店、それにニューヨーク出張所とロンドン派遣員事務所を含め、延べ109店の営業網を東アジア一帯に展開した。朝鮮銀行の店舗展開は、国策と深くかかわっていた。また貧弱な国力の日本が戦費を調達し、戦争を継続していけたのは朝鮮銀行の存在があったからである。本書は、通貨金融の面から明治期の朝鮮半島進出、シベリア出兵、「預け合」による日中・太平洋戦争の戦費調達まで、日本の大陸政策の歴史を辿る。
●第1章 第一国立銀行の朝鮮進出
●第2章 韓国併合を進める日本
●第3章 朝鮮銀行、満州へ進出
●第4章 第一次世界大戦と中国借款
●第5章 シベリア出兵と鮮銀券の“シベリア出陣”
●第6章 ロマノフ金貨の買い取り
●第7章 金融恐慌時の朝鮮銀行
●第8章 満州事変と中国の幣制改革
●第9章 日中戦争と戦費の調達
●第10章 太平洋戦争下の朝鮮銀行
●第11章 終戦と朝鮮銀行の閉鎖
●第12章 韓国銀行発足と朝鮮戦争
内容説明
日露戦争によって韓国は日本の保護国となった。朝鮮銀行は、明治四十二年、韓国銀行として設立、翌年の韓国併合で朝鮮銀行と改称され、太平洋戦争終結により閉鎖される三十六年間、軍事行動と結びついて東アジアに円の通貨圏を形成していった。貧弱な国力の日本が戦費を調達し、戦争を継続していけたのは朝鮮銀行の存在があったからである。本書は、通貨金融の面から明治期の朝鮮半島進出、シベリア出兵、「預け合」による日中・太平洋戦争の戦費調達まで、日本の大陸政策の歴史を辿る。
目次
第一国立銀行の朝鮮進出
韓国併合を進める日本
朝鮮銀行、満州へ進出
第一次世界大戦と中国借款
シベリア出兵と鮮銀券の“シベリア出陣”
ロマノフ金貨の買い取り
金融恐慌時の朝鮮銀行
満州事変と中国の幣制改革
日中戦争と戦費の調達
太平洋戦争下の朝鮮銀行
終戦と朝鮮銀行の閉鎖
韓国銀行発足と朝鮮戦争
著者等紹介
多田井喜生[タタイヨシオ]
1939年、長野県生まれ。63年、東京大学経済学部卒、朝鮮銀行の第二会社・日本不動産銀行(日本債券信用銀行)に入行。日債銀総合研究所を経て、現在、財団法人日本総合研究所参与
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
とりもり
hironob
Takeshi Kubo
モルデハイ・ヴァヌヌ