出版社内容情報
いま最も活躍する両作家のスリリングな対話。
小説とは何か。批評の役割とは何か。ときに共感し、ときに激しく激突する。今もっとも活躍する両作家の、妥協なきスリリングな交感。
いま最も注目される文学界の両者による、妥協なき交感。
▼『新潮』掲載の「見張り塔から、ずっと」で、福田和也氏は柳氏の作品を全面否定。それに対し柳氏は「見張り塔から、見張られて」で大反論した。その激しい応酬は、近年の文学界で一際目立つ出来事となった。それから2年。柳氏はベストセラー『命』で新境地をひらき、両者は5回の対談を行なった。
▼本書の第一部では、その5回の対談を、そして第二部では「見張り塔から」の応酬と他に2編を収録している。
▼「『ゴールドラッシュ』は、現代社会の観察としては甘すぎる(福田)」「『見張り塔から、ずっと』ほど文芸評論家の無能ぶりを示した例はかつてない(柳)」「柳さんが倫理を正面から書いたことは、戦後文学の中で画期的なことだと思います(福田)」「なるべくならこの言葉を使わずにお伝えしたかったのですが、天才だと思いました(柳)」――文学とは何か、真の批評とは何か。その本質的な問いを語る。
●『命』、そして次をめぐって
●『魂』をめぐって
●福田さん、真の批評を
●批評家にとっての歴史
●作家と批評家の関係
●見張り塔から、ずっと
●見張り塔から、見張られて
目次
1 『命』、そして次をめぐって
2 『魂』をめぐって
3 福田さん、真の批評を
4 批評家にとっての歴史
5 作家と批評家の関係
見張り塔から、ずっと
見張り塔から、見張られて
前衛なき時代の表現行為
祝・長編完成!!柳美里の「故郷」横浜黄金町を歩き、密かに批評の時に備える
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
昭和35年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。現在、慶応義塾大学助教授。気鋭の評論家として文壇・論壇で幅広く活躍。平成5年、『日本の家郷』で第6回三島由紀夫賞を受賞。平成8年、『甘美な人生』で第24回平林たい子文学賞を受賞
柳美里[ユウミリ]
昭和43年、神奈川県生まれ。高校中退後、東京キッドブラザーズを経て、昭和63年、劇団「青年五月党」を結成。平成5年、「魚の祭」で第37回岸田国士戯曲賞を受賞。平成8年、「フルハウス」で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。平成9年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞
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