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歴史と科学―日本史を歩く

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569618081
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0221

出版社内容情報

「科学」に支配された「歴史」復興への挑戦。

「科学」は現代人にとって神となった。遺伝子学全盛の古代研究への疑問等を題材に、「科学」に支配された歴史学に挑戦する。

十六、七世紀以来、自然はガリレオとデカルトにより、死物として線引きされ「客観世界」として立ち現れた。しかしこれは「科学」という一つの世界観的前提に立った一つの仮説にすぎない。ところで歴史は「生活世界」である。この歴史研究の領野に今科学の方式が猛烈な勢いで広がっているが、その危険性について指摘する声は全く聞かれない。本書では第一章「歴史と自然」で歴史と自然を対立させた歴史哲学を構築してきたキリスト教的西洋的世界は地球上では例外であることを説く。第二章「歴史と科学」ではアルプスの氷河の中から発見された五三〇〇年前のアイスマンの遺伝子という最前線のテーマをとりあげ、先入観から解放されていない科学の実態に迫る。第三章「古代史のあつかい方への疑問」では考古学における問題点を具体的に検証している。科学は近代人の原罪である。しかし科学とは別の精神の働きもある。そこを見ないと歴史世界の扉は開かないと著者は説く。

●第1章 歴史と自然 
●第2章 歴史と科学 
●第3章 古代史のあつかい方への疑問

内容説明

科学は現代人にとって神となった。16、17世紀以来の自然の「数学化」は一つの仮説にすぎないのに、事物から色や匂いや味や固さや音をはぎ取り、私たちの日常の暮しの世界を無視するかのごとく、独り歩きし、今や「死物世界」として地球を覆い尽くした。そこには人々の豊かな感情も時間も存在しない。人間が生きた確かな足跡ともいうべき「歴史」は抹殺された。本書は、近年の遺伝子学全盛の古代研究への疑問等を題材に、西洋近代精神の中核を占める科学と真正面から対峙し、人間存在の本質と意味を問う。

目次

第1章 歴史と自然(日本文化の背後にある縄文文化;原理主義を欠く原理を持つ日本人;森の生態系の中で熟成した自然観 ほか)
第2章 歴史と科学(科学と「人間的あいまいさ」の関係;自然科学は現代人の神である;科学は発展したが「真理」からは遠ざかった ほか)
第3章 古代史のあつかい方への疑問(砂漠の文化の基準で森の文化は測れない;歴史学は科学に偏りすぎてはいけない;「二重構造モデル」の重大な過誤 ほか)

著者等紹介

西尾幹二[ニシオカンジ]
昭和10年、東京生まれ。昭和33年、東京大学文学部独文学科を卒業。昭和36年、同大学大学院修士。昭和54年、同大学文学博士。電気通信大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

naniwoyomu

4
おすすめ。 #教養 #日本を知る #考えるヒント

脳疣沼

1
なんとなく言わんとしてることは分かるがね。科学を無頓着に振り回す歴史学への批判だが、こうなると西尾幹二はいったいどんな歴史書を書いてるんだ?と興味が出てくる。『国民の歴史』でも読んでみようかな。2017/02/11

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