出版社内容情報
大型新人田口ランディの魅力あふれる書き下ろし恋愛短編集。やりきれなさにもがきつつ、明日生き直す予感を感じさせる主人公達の日常!
いま最も注目されている作家・田口ランディの初めての恋愛短編集。二〇代後半から三〇代の、どこにでもいそうな女性が主人公の物語には、恋愛ベタの女、自信のない男、下心に震える小心者、傷つきやすい女、言いたいことがうまく言えない男、男を信じられない女、愛されたい身勝手な男と女が登場する。
▼この時代の匂いとともに、やりきれなさとそれぞれの孤独が共感をよび、官能的な描写も等身大でありながら、魅力にあふれている。人間の持つ生命力やユーモアを感じて、不思議に読後あたたかな気持ちになってしまう作品ばかり。
▼「アカシヤの雨に打たれて」「それぞれに孤独に」「花嫁の男友達」「四月になると彼女は」「海辺のピクニック」「海辺のピクニック、その後」「健康のため吸いすぎに注意しましょう」「電話を待ちながら」の八編を収録。
▼自分の気持ちを見失って、それでも、たくましくジャストな自分を探している女性たちを描く。決して期待を裏切らない一冊。
●アカシヤの雨に打たれ
●それぞれに孤独に
●花嫁の男友達
●四月になると彼女は
●海辺のピクニック
●海辺のピクニック、その後
●健康のため吸いすぎに注意しましょう
●電話を待ちながら
内容説明
自分の気持ちを見失って、そして男も失って、やりきれなさにムカつきながら、ジャストな自分を探そうとしている―彼女たちの8つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
89
田口さん、二冊目ですが、これは気に入りました。あとがきを先に読んでピピピとくるものがあり。女って、自分をお姫様のように大事に扱ったり、僕のようにまるで畜生でも見るような蔑んだ目で見られたり…その両極端を体で感じていたいワガママな生き物なのかもしれない。男とかイニシャルで表現されているところが、男の印象を読者に想像させるような…その感覚がいいな。sex描写も多いけど、女だからわかる女しか感じられない恋がいっぱい。努力する者ほど結果を期待するから満たされない心と不平を抱えてしまうのかな。また再読したい1冊。2013/11/24
赤い肉球
24
初読み作家さん。ずいぶん長いこと積んであった。携帯がまだ一般的に普及してない時代のお話、かな。独り暮らししてた頃の事を思い出した。アパートのドアの前で鍵を探してるときに鳴る部屋の電話。なかなか鍵が見つからない!わかるぅ!何度もあるぅ!恋愛の話は置いといて、他の事は共感しまくりでありました。短編だけど主人公の女性が同一人物に思えてきて、読みやすかった。程よい長さなのも読みやすかった。独り暮らししてると寂しい深夜にかかってくる電話って嬉しかったりするんだなぁ…。2015/10/07
とふめん
17
女性の恋愛の始まり方に正しさなんて関係ないことを思い知らされた。 少し歪んだ恋愛小説短編集に感じた。 どんなエリート男よりも、ストレートな表現をしてくる変態男に心が揺れることがあるんだな。 人の心って難しい。2019/01/16
ai
9
ひとつひとつの話のサイズ感がちょうどよくてサクサク読めた。女は見栄っ張りで意地っ張りで寂しがりだね。しかしこんなに男のことばっか考えてらんねーよ暇人かよ、とも思いました。2013/09/18
あさみ
4
なぜだか無性にダメな恋愛をしている女の話が読みたくて図書館で手に取った本。ものずごく満足しました。好きでもなんでもないけど、寝てあげてもいいよ。って強がってる女性が好きだわぁ。あの時は安定した恋愛が欲しくてたまらなかったのに、今では彼女たちが羨ましくもある。でも20代で卒業だよね。2015/04/15