出版社内容情報
人生の教師となる歴史観を持つ??私的人間に徹した歴史家の言説を通して、進歩史観崩壊後の危機の時代にどう臨んでいくかを洞察する。 「ナチズムの出現」「不安定な時代を招く大衆の登場」「アメリカ流ビジネス文明の蔓延」など21世紀の問題を予見していた19世紀の歴史家・ブルクハルト。世紀の変わり目に来て、歴史を見直す傾向のなか、バーゼルの異端的歴史家に何を学ぶか?▼本書では、進歩史観の生き詰まりにいたる「歴史観の歴史」の概要をつかみ、「歴史の危機とは何か。その克服法はあるか?」という問いを、ブルクハルトとその歴史観の紹介を通して明らかにしていく。▼近代進歩史観信奉を経て、マルクス流だけでなく自由主義的進歩史観も凋落していった。進歩史観の限界に直面した現代にこそ、「歴史は人間精神の連続体」「人生の教師である」と捉え、「歴史の営みはおぼろげな謎」「未来は知りえないから未来である」という深い懐疑の精神に貫かれた歴史観が、危機の時代を乗りきる指針として価値をもつ。▼決着に何十年を要する今回の危機に臨んで、21世紀を生きぬく智恵を示す。 [第1章]進歩史観に代わる歴史観をもとめて ●近代進歩史観の行き詰まり ●近代進歩史観にいたる道 ●循環史観の系列 [第2章]ブルクハルトの歴史観 ●ブルクハルトの同時代への姿勢 ●懐疑に耐える歴史観 ●ブルクハルトのルネサンス論 [第3章]「歴史の危機」とは何か ●「歴史の危機」の類型学 ●歴史の三大ポテンツ ●「歴史の機器」の賛美 [第4章]危機の時代を生きる智慧 ●日本を襲う「ほんものの危機」 ●二十一世紀と向き合う人生観 ●「歴史病」克服への二つの道 ●人生の教師としての歴史
内容説明
ナチズムの出現、アメリカ流ビジネス文明の蔓延など二十世紀の問題を予見していた十九世紀の歴史家・ブルクハルト。彼は歴史を人間精神の連続体として捉え、「歴史は人生の教師である」と考えていた。進歩史観の限界に直面した現代にこそ、「未来は知りえないから未来である」という深い懐疑の精神に貫かれた歴史観が、危機の時代を乗りきる指針として価値をもつ。時代の大転換期に臨んで、二十一世紀を生きぬく智慧を示す一冊。
目次
第1章 進歩史観に代わる歴史観をもとめて(近代進歩史観の行き詰まり;近代進歩史観にいたる道;循環史観の系列)
第2章 ブルクハルトの歴史観(ブルクハルトの同時代への姿勢;懐疑に耐える歴史観;ブルクハルトのルネサンス論)
第3章 「歴史の危機」とは何か(「歴史の危機」の類型学;歴史の三大ポテンツ;「歴史の危機」の賛美)
第4章 危機の時代を生きる智慧(日本を襲う「ほんものの危機」;二十一世紀と向き合う人生観;「歴史病」克服への二つの道;人生の教師としての歴史)
感想・レビュー
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バルジ
check mate
えむa