PHP新書<br> 脳死・クローン・遺伝子治療―バイオエシックスの練習問題

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脳死・クローン・遺伝子治療―バイオエシックスの練習問題

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569607146
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0210

出版社内容情報

  脳死と臓器移植、不妊治療、遺伝子治療、クローン人間etc.自由と公共性の選択をつきつけられた現代の生命倫理を考えるための頭の訓練。  バイオエシックス(生命倫理学)とは、1970年代以降、生命科学のめざましい発達に伴って生まれた新しい学問である。医療技術について、その安全性や許容基準を判断することを目的に、欧米圏を中心にして成立した。 従来のバイオエシックスの原則は、「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危害を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」ということであった。しかし、私の遺体についての決定権を持つのは私なのか家族なのか? 等々、最新技術が提起する様々な課題は、もはや、従来の自由主義・個人主義では判断できない。 本書では、「脳死と臓器移植」「性と生殖の倫理」「クローン人間の練習問題」「患者の権利」「遺伝子治療と人間の未来」などの問題をとりあげ、その複雑な論点を整理し、バイオエシックスの新たな枠組みを提示する。  ●序章 バイオエシックスとは何か ●第1章 脳死と臓器移植 ●第2章 性と生殖の倫理 ●第3章 クローン人間の練習問題 ●第4章 患者の権利 ●第5章 遺伝子治療と人類の未来

内容説明

「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危険を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」というのが、従来のバイオエシックス(生命倫理学)の原則であった。しかし、私の遺体についての決定権を持つのは私なのか家族なのか?クローン人間の製造はなぜ規制されなければならないのか?等々、最新技術が提起する様々な課題は、もはや、従来の自由主義・個人主義では判断ができない。本書では、これらの問題の複雑な論点を整理し、バイオエシックスの新たな枠組みを提示する。

目次

序章 バイオエシックスとは何か
第1章 脳死と臓器移植
第2章 性と生殖の倫理
第3章 クローン人間の練習問題
第4章 患者の権利
第5章 遺伝子治療と人類の未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

6
生命倫理の演習ノートといった感じ。著者は基本的に自己決定権を土台にしたリベラリストだけど、クローンや性転換、臓器移植問題は単純なリベラリズムだけでは解決できない。問題の複雑な部分を、一つ一つ解きほぐして整理し、明快な問答を見せている。一つ一つの問題についてそれぞれどう考え方を進めていけばいいのか。どこまでは許されなくてどこまでは許されるのか。生命倫理学の、具体的な議論の仕方がわかる。結論はどれも理知的ではっきりしていて、議論の進め方と同じく読者の指針になるだろう2011/09/03

訃報

5
個人のレベルで言えば倫理的な問題は考えすぎると変な方向へ行きそうなので直観に従った方が良い気がするのだけど、法律の制定となると徹底的に論理で考えなければならない。直観や常識では違和感を抱くような主張に対しても一つ一つ筋道立てて、論理的に。考え抜くための練習問題。興味のある分野のはずなのだが、そこまでハマらなかったのは結局、どんな題材であれ自分は「真剣に考え抜く」たちではなく、未知の楽しさ面白さを求めて本を読んでいるのだということの証明というか薄々気付いていたことの再確認になった。2018/04/21

はぎはぎ

2
バイオエシックスをめぐる問題とそれに関する現状の議論を整理する著作。自由主義や共同体主義といった思想上の立場からの考察や、議論の論理的妥当性を検討しつつ問題点を提示する。やや硬めの内容なので、読むのに時間がかかるが、丹念に追っていくと面白い。身近な問題にかかわるテーマなので、自分がどのような立場をとるかについて考えさせられるとともに、ニュースや新聞の記事に対する興味や理解も高まるだろう。ただ、性転換について精神的な疾患と論じるところは違和感を覚えた。2019/01/18

spica

2
99年刊の生命倫理についての新書。脳死、生殖、クローン、遺伝子治療を軸に、新しい死生観と人間性、患者の権利について論じる。非常に分かりやすく、なるほど、と納得しながら読み進めたのだが、性転換手術の章では首をかしげた。筆者は「自然な身体に沿わない精神が異常であり、正常な身体を手術することは治療ではない」と述べるが、私の意見では精神に合わない身体が異常なのでは。時代が古いせいか、筆者の偏見か、現在の意見を知りたい。それ以外はおもしろかったが、やはり1冊で分かった気になるのは危ないので、別の論者の本も読みたい。2018/02/22

ふもっふ

2
現代の生命倫理的諸問題がコンパクトにまとめられており、その当代的問題が未来にありうべき問題の射影であることが窮めて明示的に述べられる。それこそが、目下の諸問題を将来的に不可避な諸問題を「解く」ための「練習問題」として看立てている所以である。そこでは、今日的問題はもはや解かるべき困難ではありえず、未来的問題に対処するための論点整理用の論材という特質を帯びている。従って、今日的問題の解決の方途を当著に見出だそうとしても、徒労でこそなけれ、期待外れの憾みは免れないであろうと思われる。2011/08/15

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