出版社内容情報
長年住宅に取り組んできた建築家が日々考えた、住まい・家事・旅・都市、そして人間のこと……。人の住む器としての家を語った一冊。 いったいあなたはどんな家に住みたいだろうか。「風と共に去りぬ」で観た回り階段、住宅雑誌に出ていたイタリア民家風リビング、花模様の壁紙にピカピカのシステムキッチン……それは子供の頃からの憧れをすべてつめ込んだ、しかしどことなく現実味の薄い家ではなかろうか。日本人が自由気ままに欲しいものだけを求めてつくってきた結果、現在の日本の家の多くが非機能的で無国籍となり、郊外の街は百鬼夜行の住宅が延々と続く。そんな現状を何とかしたいと、建築家の良心がうごめいた。本書は、38年間住宅設計に取り組み続けた建築家の著者が、さまざまな家をつくり、世界を歩き、そしてたくさんの人々に出会う中で日々考えた「家」についての記録である。「いい家」や「いい街」に正解はない。しかし唯一その答えを探し出す方法は、われわれ一人ひとりが家について考えていくことだ。そのための指針を、著者は与えてくれている。
内容説明
リビング、書斎、子供部屋。なぜ、つくる?建築家として三十八年間、豊富な経験をもとに語る、人がよりよく生き続けるための家づくり、街づくりの視点。
目次
序章 家は何のために
1章 不可思議な部屋たち―実感が欠落した部屋
2章 男と女が住む家は―男が放棄した“女の家”
3章 街に住もう―なぜ私たちは郊外に住んでいるのか
4章 旅で出会った街並み―風景は人がつくる
5章 美しい街並みをつくろう―美しい街は出来る