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PHP文庫
大英帝国衰亡史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569578958
  • NDC分類 233.05
  • Cコード C0120

出版社内容情報

大英大国の衰亡を克明に論考した長編歴史評論。

世界に覇を唱えた大英帝国は、なぜ滅びたのか! 毎日出版文化賞、山本七平賞ダブル受賞で話題をさらった長編歴史評論、待望の文庫化。

ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を挙げるまでもなく、歴史上、帝国が興隆し、衰亡の道をたどった過程を描いた歴史書は数限りない。その意味で、歴史とは「幾多の帝国の興隆と衰亡の歴史」といってもよいかもしれない。

▼本書は、大英帝国に日の没するところなし、と謳われた大英帝国が誕生し、衰亡に至るまでの過程を、多くの文献を渉猟し、つぶさに検証した長編歴史評論である。

▼多くの「衰亡史」が、その最盛期から衰亡の過程を描いているのに対し、本書の特徴は、まさに大英帝国の誕生の経緯ももらさず記しているところである。なぜアイルランドの独立運動がおきたのか、その訳も本書を繙けば納得がいく。

▼本書の上梓は1997年。まさに香港、中国への返還の年であり、大国がいかにして主役の座を降りることになったのかを振り替えるにふさしい年でもあった。第51回毎日出版文化賞、第7回山本七平賞ダブル受賞に輝く、著者渾身の歴史評論、ついに文庫化!

●第1章 「パスク・ブリタニカ」の智恵 
●第2章 エリザベスと「無敵艦隊」 
●第3章 英国を支えた異端の紳士たち 
●第4章 帝国の殉教者ゴードン 
●第5章 「自由貿易」の呪縛 
●第6章 「ボーア戦争」の蹉跌 
●第7章 アメリカの世紀へ 
●第8章 改革論の季節 
●第9章 悲しみの大戦 
●第10章 ロレンスの反乱 
●第11章 “バトル・オブ・ブリテン”、そしてフル・ストップへ 
●第12章 旗の降りる日

内容説明

ローマ帝国を挙げるまでもなく、歴史上、多くの「帝国」が興隆し、衰亡していった。その意味で世界史は「幾多の帝国の衰亡の歴史」といってもよい。本書で著者は大英帝国の興隆に寄与した3つの戦争と、衰退の節目となった3つの戦争に着目しつつ、いかにして大国が主役の座を降りるに至ったかを克明に描いている。第51回毎日出版文化賞、第6回山本七平賞ダブル受賞に輝く長編歴史評論。

目次

「パクス・ブリタニカ」の智恵
エリザベスと「無敵艦隊」
英国を支えた異端の紳士たち
帝国の殉教者ゴードン
「自由貿易」の呪縛
「ボーア戦争」の蹉跌
アメリカの世紀へ
改革論の季節
悲しみの大戦
ロレンスの反乱
“バトル・オブ・ブリテン”、そしてフル・ストップへ
旗の降りる日

著者等紹介

中西輝政[ナカニシテルマサ]
1947年、大阪生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学人文学部助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て現在、京都大学総合人間学部教授。『大英帝国衰亡史』で、第51回毎日出版文化賞、第6回山本七平賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

117
「アラブ人に対し約束を守ることに、イギリスの歴史的な名誉がかかっているということを、国家の最高指導者に認識させるためにわたしができることは、これしかなかったのです」一トマス•エドワード•ロレンス この引用を持ってくるところにこの作者の美意識というか、作者がイギリスについて思うところがあらわれてる、と思う。イギリス紳士録、心を打つジェントルマン、ナイトたち。たしかにそう言うスピリットが国の復興にはいる。しかし、それは明らかに身分が分かれている場合ではないかな。今の日本には当てはまらない2021/06/02

ようはん

23
19世紀に大英帝国と呼ばれたイギリスがいかにして20世紀以降、大英帝国の威信を失っていったかが分かり易く理解できた。第二次世界大戦ではダンケルクやバトル・オブ・ブリテン等の英雄的な勝利を挙げて戦勝国となりながらも直後にアメリカによりレンドリース法を打ち切られ、インド等の植民地を失ったばかりでなく数年間国内の食糧事情が窮乏していた辺りは初めて知る。2022/02/24

中島直人

15
バランスの取れた良書だと思う。大きな流れ、大まかなストーリーとして、大きく歴史を捉えることが出来て、面白い。2019/01/14

たばかる

9
こぎれいにまとまって読みやすいものだった。「アルマダ」「ボーア戦争」「スエズ戦争」を挙げつつ、大局的な国の変遷を追っているので全体像を把握しやすい。西洋の最強海軍と言わしめるイギリスの杜撰な戦争経過が感じられた。2018/10/21

No Nis

7
大英帝国の興亡について真正面から取り組んだ意欲作。衰退のいろんな理由が挙げられているが、とくに心に残ったことを少し。19世紀に「自由貿易」の旗印のもと大英帝国は世界の工場として世界に羽ばたいたが、ドイツやアメリカが保護主義を取りながら追い付くにつれイギリスは相対的に衰退していく。ここに現代のアメリカと中国の関係に類似がある。そこでイギリスが当時とった道は自らのブロック経済の建設だった。その拡大路線が課す重いコストがやがて大英帝国の破綻の遠因となるのだが、アメリカはどうか。思索の種に最適な一冊だった。3/52017/08/27

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