出版社内容情報
傑出した個性との交遊を綴る渾身の回想録。 昭和25年の出会いから、平成元年12月9日、その死を迎えるまで続いた「傑出した個性」との交遊を綴る渾身の回想録、待望の文庫化。 敗戦の傷痕が残る昭和25年、冬の大阪。「タニザワさんですかっ、ぼくカイコウですっ」。著者と開高健の交遊は初対面としては少々奇妙なこの一言から始まり、平成元年12月、開高が亡くなるその日まで続いた。開高が読みたいといえば、その本を自腹を切って購入し貸し与え、開高の小説「パニック」が昭和33年1月の芥川賞候補になれば、居ても立ってもいられず店じまいまで酒を飲み、早朝、受賞を知るや「放心」してしまう著者。言うことは何でも聞き、することは何でも許す、わずか1歳年長である著者の開高に対する母性のような友情……。それを支えたものは、身近に才能を見ることへの喜び以外の何物でもなかった。そんな友情を結べる友をもつことは、まさに人生の至福だったろう。 「開高健が、逝った。以後の、私は、余生、である」。本書の最後はこう結ばれている。生涯の友が「傑出した個性」との40年の交遊を綴った、感動の回想録である。
内容説明
敗戦の傷痕が残る昭和25年、冬の大阪。「タニザワさんですかっ、ぼくカイコウですっ」。著者と開高健の交遊は、この出会いの一言から始まり、平成元年12月、作家が亡くなるその日まで続いた。言うことは何でも聞き、することは何でも許す、著者の開高に対する母性のような友情…。それを支え得たものは、身近に才能を見ることへの喜びであった。生涯の友が語る渾身の回想録、待望の文庫化。
目次
出会い
『えんぴつ』創刊
若い家長
「印象採集」前後
紙喰い虫
木曜会の日々
「世評未だ一言をも加へず」
絶交
結婚
寿屋宣伝部〔ほか〕
感想・レビュー
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あかふく
Gen Kato
tsukamg