出版社内容情報
日本人が拠って来たる行動原理・生活様式、そして技術観などを多角的に分析。日本文化の再発見を試みた渾身の力作!日本文化の特性を探る「山本日本学」の集大成。
内容説明
日本は有史以来、さまざまな国の文化や制度の影響を受けてきたが、その導入にあたっては単なる模倣に終始せず、一つ一つ日本に合った独自の形に同化・発展させてきた。上巻では、古代から中世の歴史の中にその検証を試みる。即ち、かな文字や律令制、鎌倉仏教、武家政治、一揆などの諸相に日本の独自性を丹念に探り、同時に日本人のアイデンティティをも浮き彫りにしていく。“山本日本学”の集大成といえる渾身の力作、待望の文庫化である。
目次
プロローグ 『大勢三転考』の日本―伊達千広が描いた歴史観
第1部 「骨の代」から「職の代」へ(日本人とは何か;文字の創造;律令制の成立;神話と伝説の世界;仏教の伝来;〈民主主義〉の奇妙な発生)
第2部 「職の代」から「名の代」へ(武家と一夫一婦制;武家革命と日本式法治国家の成立;武家法の特徴;エコノミック・アニマルの出現;下剋上と集団主義の発生;貨幣と契約と組織―中世の終わり)