内容説明
奔放なエネルギーに満ちた２０世紀の美術。それまでの美術を根底から変革する芸術家たちの意志と冒険。彼らがめざした「遠近法の粉砕」「色彩の解放」「抽象への接近」「夢の開拓」などへの志向は、美術の概念を大きく塗り替えた。それはまた、色彩や形態の自律を求め、あるいは身体や物体や観念さえも芸術化し、美術を拡散と多様化と未見の領域へと誘った。歴史上未曾有の変転を見せた２０世紀美術の集大成。
目次
１ さまざまな表現主義
２ 空間と時間の分析＝総合
３ 抽象と構成
４ ダダ的反抗と夢の開拓
５ 両大戦間の国際的動向
６ ２０世紀前半の彫刻
７ 抽象表現主義からミニマル・アートへ
８ ２０世紀後半の具象絵画
９ ポップ・アートの誕生
１０ 視覚と認識の変革
１１ ２０世紀後半の彫刻
１２ モダニズムを超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
17
美術出版社刊。表紙のデュシャンの『大ガラス』を見て反射的に手に入れました。1900年から2000年までの大まかな美術のムーブメントがカラー図版入りでよく分かります。活字小さく横組なのは年寄りには少し負担でした。900年はフォービズム、キュービズム等様々な表現主義から始まり、20年にダダがあり、その影響でシュールレアリスムが生まれ50年にハプニング、アクション・ペインティング60年にポップ・アート、70年にパフォーマンスとアースワーク80年にメディア、グラフィティ・アートと言うのが自分の興味勿論それ以外も！2024/04/24
ドラクロワ＠灯れ松明の火
4
ﾄﾑ・ｳｪｯｾﾙﾏﾝが大好きで…信じがたいでしょうが、P142の<ﾊﾞｽﾀﾌﾞ・ｺﾗｰｼﾞｭ2>欲しさにちょっと高めのこの本を買ったのです(^_^)vでも掲載ｻｲｽﾞは小さいながら、他にいっぱい載った20世紀作品も良いものばかりです。たくさん紙を貼り付けたり、線を引っ張ったりした作品は何が為なのか理解に努力が要りますが、はっきりしたモチーフがあるものは（某人間や単純な顔の絵でも）見とれてしまいます☆P146ｲｳﾞ・ｸﾗｲﾝの<空中浮遊>なんて、クスッと笑ってしまいますよね(^w^)2011/06/16
寄辺
2
最近になって新版が出た自分の教科書的存在。分量が凄いのでつまみ食い感覚で大体読み切った。一家に一冊どうぞ。2019/07/13
サトル
2
ポスト印象派から様々に枝分かれする現代アートの潮流を総覧して眺めることが出来た。これまで断片的だった知識や情報が多少なりともシナプス結合されたような気がする。フォーヴィスムに始まり、キュビスム、ダダ、バウハウス、シュルレアリスム、幾何学的抽象、アンフォルメル、キネティックアート、ハードエッジ、ポップアート、コンセプチュアルアート....もうこの辺りまで来ると頭パンクという感じだったが、豊富な作品写真と用語解説でなんとか乗り切ることが出来た。いよいよ本題のアメリカンポップアートの解説書に乗り出してみよう。2018/05/21
Ucchy
2
街で時々目にする変な形のメニュメントの意味が分かるかなと思い読んだ。とにかく20世紀の美術は展開が目まぐるしい。フォーヴィスム、キュビスム、未来派、ダダ、形而上絵画、バウハウス、シュルレアリスム、メキシコ壁画運動、抽象表現主義、アンフォルメル、オプアート、ポップ・アート、コンセプチュアルアート、アースワーク他いろいろ。2014/02/08
